日弁連会長の個人情報保護法案抜本的見直し要求声明


2001年度臨時国会で継続審議となった個人情報保護法案について、2001年9月20日に日本弁護士連合会が発表した、抜本的見直しを求める会長声明。個人情報保護関連5法は2003年5月23日に、参院本会議で可決し、成立した。日本経済団体連合会は2003年5月23日に、「個人情報保護法成立に関する奥田会長コメント」を公開した。詳細情報はURL(http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2003/com0523.html)で知ることができる。総務省総合通信基盤局は2004年3月12日に、個人情報の情報管理の徹底に係る放送業界及び電気通信業界への要請を公開した。詳細情報はURL(http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040312_5.html)で知ることができる。民間企業と行政機関に個人情報の適正な取り扱いを義務づける、個人情報保護法関連5法の一部が2003年5月末に公布と同時に施行され、事業者の義務や罰則の施行は、公布から2年以内に政令で定められる。罰則規定は、6か月以下の懲役または、30万円以下の罰金となる。経済産業省商務情報政策局情報経済課は2004年6月16日に、2005年4月1日の個人情報保護法の施行に向けて、経済産業分野を対象とした企業が具体的にどのような対応を行えばよいのかを例示した、個人情報保護法の適用をまとめたガイドラインを策定し、公開した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/press/0005321/index.html)で知ることができる。総務省は2004年6月28日に、電気通信事業者が個人情報を利用する際の注意事項などをまとめた「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」の改訂案を公表した。詳細情報はURL(http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040628_1.html)で知ることができる。米国のGAO(General Accounting Office/米国連邦会計監査院)は2004年7月28日に、情報保護に関してオペレーションのためにAuthorizingシステムズの一貫したプロセスを実行する必要性を訴えたレポート「Information Security: Agencies Need to Implement Consistent Processes in Authorizing Systems for Operation. GAO-04-376」を公開した。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-04-376)で知ることができる。経済産業省は2004年7月29日に、外郭団体である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2004年7月28日に、韓国情報保護振興院(略称:KISA)と、情報セキュリティに関する協力関係を締結したと報告した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/press/0005450/index.html)で知ることができる。経済産業省は2004年10月26日に、2003年5月に公布された「個人情報の保護に関する法律」が2005年4月に本格実施されることを踏まえ、経済産業省の産業構造審議会化学・バイオ部会個人遺伝情報保護小委員会において、「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン(案)」(以下「本ガイドライン」という。)の内容がまとまったことを受けて、意見募集(パブリック・コメント)を開始した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/press/0005733/index.html)で知ることができる。経済産業省は2004年12月20日に、平成15年5月に公布された「個人情報の保護に関する法律」が平成17年4月に全面施行されることから、産業構造審議会化学・バイオ部会個人遺伝情報保護小委員会で、個人遺伝情報の取り扱いに係る円滑な実施を図るための対応について審議し、その結果として、「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン」を告示した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/press/20041217010/20041217010.html)で知ることができる。米国のGAO(General Accounting Office/米国連邦会計監査院)は2006年7月26日に、情報再販業者に対するプライバシー法における個人情報保護に対するレポート「Personal Information: Key Federal Privacy Laws Do Not Require Information Resellers to Safeguard All Sensitive Data. GAO-06-674」を公開した。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-06-674)で知ることができる。

[全文]
「改正住民基本台帳法の施行に際し、十分な個人情報保護措置を求める日弁連会長声明」

 去る9月11日、東京都杉並区長は、「杉並区住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例案」を議会に提出した。

 1999年8月、住民基本台帳法が改正され、住民基本台帳ネットワークシステムが導入された。日弁連は、これに対し、プライバシーを侵害する恐れが大きく、国民総背番号制への道をひらくものであるとして反対を表明してきたが、同改正法は、「法律の施行にあたって政府は個人情報保護に万全を期すため、速やかに所要の措置を講ずる」との付則を付した上で、成立に至った。

 しかし、この「所要の措置」として策定された、「個人情報の保護に関する法律案」は、民間事業者に一律に罰則を含む規制をするもので表現の自由等を過度に制約するものであり、一方、国の行政機関の個人情報保護のあり方について、総務省の研究会が本年7月に公表した「中間整理」は極めて規制の緩いものであり、どちらも適切な保護措置とは言い難い。

 このような状況の中で、杉並区の上記条例は、住民基本台帳ネットワークシステムに参加せざるを得ない地方公共団体の立場で、住民票記載事項の不適正利用等により区民の基本的人権が侵害されるおそれのあるときには必要な措置をとるなど、主体的な姿勢を示すものとなっており、注目すべきものである。

 日弁連は、国に対し、「個人情報の保護に関する法律案」等を抜本的に見直し、十分な個人情報保護立法がされるまでは、改正住民基本台帳法の施行を延期すべきことを求める。もし、個人情報保護立法が不十分な形で成立するのであれば、多くの弊害が予想される住民基本台帳ネットワークシステムそのものを施行前に廃止することも求めざるを得ないと考える。

 また、各地方公共団体に対し、杉並区の取組みを参考に、住民基本台帳ネットワークシステムに対して、住民の基本的人権を擁護する立場から、地方自治の本旨にのっとり、主体的な姿勢を貫くよう求めるものである。

 2001年(平成13年)9月20日

 日本弁護士連合会

 会 長  久保井 一匡


行政機関及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案概要・参考
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案
独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案
情報公開・個人情報保護審査会設置法案
行政機関の保有する個人情報の保護に伴う関係法律の整備等に関する法律案
GAOによる代理店が扱う個人情報の情報管理レポート
FTCが2003年9月3日に公開した他人のIDを使用した事件
第58回国連総会第3委員会 議題117(b)及び議題117(c)関する原口国連常駐代表演説(仮訳)
世界人権宣言の55周年日本政府国連代表部小澤敏朗大使ステートメント
GAOが2003年12月17日に公開した、タイムリーで確実な個人情報管理に関するレポート
総務省総合通信基盤局の個人情報の情報管理の徹底に係る放送業界及び電気通信業界への要請
個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
経済産業分野を対象とした個人情報の保護に関する法律ガイドライン
総務省は2004年6月28日に公開したガイドライン改訂の考え方について
「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」の改訂案
GAOが2004年7月28日に訴えた、情報保護とAuthorizingシステムズのレポート
IPAがKISAと情報セキュリティに関する協力関係を締結した報告
経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン(案)に対する意見募集
経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン(案)
個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」の見直しの内容に係る意見募集
経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン
Illustrirte Zeitung1856年1月26日に掲載された化学者Justus von Liebig
ミュンヘンのJustus von Liebig研究所
Justus von Liebigの階段教室
医学研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会議事録
外務省が2004年4月8日に公開した事業者等が取り扱う個人情報保護ガイドライン
GAOが2006年7月26日に公開した、情報再販業者に対するプライバシー法における個人情報保護に対するレポート