電子マネーに関する報告書-2

電子マネー及び電子決済に関する懇談会の報告書/第1章 情報通信技術の進展と金融サービスの電子化

第1章 情報通信技術の進展と金融サービスの電子化

1.情報通信技術の進展と金融サービスの電子化の動き

近年の情報通信技術の発展には目覚ましいものがある。例えば、ICチップの高速化・低価格化等のハード面での進展やGUI(Graphical User Interface)技術の開発等のソフト面での進歩を背景として、パーソナル・コンピュータの利用が一般的なものとなっている。また、通信技術の進展によりコンピュータ間をつなぐ通信が拡大してきており、特に最近では、インターネット技術の活用により、世界的な規模でのコンピュータ・ネットワークが形成されるに至っている。
こうした情報通信技術の発展に伴い、これを活用した電子商取引も活発化してきている。パソコン通信やインターネット上に店舗を開設し、消費者に対してソフトウェアの販売や物品の注文の受付等を行うオンライン・ショッピングが増加しているほか、企業間でも部品の注文等をコンピュータを通じた通信により行うCALS(Continuous Acquisition and Lifecycle Support)の活用が拡大している。こうしたコンピュータ間の通信を通じた電子商取引の拡大は、公開鍵暗号の普及等暗号の商用利用の拡大によって通信の安全性の向上が図られること等により促進されており、この傾向は今後も続いていくものと見込まれる。
金融サービスの分野でもこうした情報通信技術の発展やこれに伴う電子商取引の活発化等を背景として、新たなサービスが開発され、利用されるようになってきている。こうした金融サービスの電子化の動きは、金融機関間の事務処理の電子化・ネットワーク化のほか、ファーム・バンキングや金融EDI(Electronic Data Interchange)等、主として企業間の資金取引の分野で顕著であったが、最近では、プリペイドカードやクレジットカードの利用の拡大のほか、いわゆる電子マネーの開発等小口・小売決済の分野でも進展が見られるようになってきている。

2.金融サービスの電子化と利用者のニーズ

金融サービスの電子化は、顧客の固定化や店舗における人件費の削減、偽造の防止等のサービス提供者側の事情による面もあると考えられるが、他方、特に最近の動きに関しては、情報通信技術を取り入れたより効率的な決済サービスの提供を求める利用者側のニーズがあることも看過できない。すなわち、企業においては、商品の製造や販売における省力化の観点から、CALSやネットワーク上での販売の推進等の情報通信技術を活用した事業の情報化を進めており、こうした取組みの一環として、取引に伴う決済についてもネットワーク等を通じ電子的な方法により行いたいとのニーズがある。
また、消費者においては、コンビニエンス・ストアの発展にも反映されているように、生活時間・生活様式の多様化に伴い、いつでもどこでも手軽に必要なサービスを受けたいとの欲求が強まっている。金融サービスについても、例えば、現金の持ち合わせや金融機関の店舗の営業時間を心配せずに買物がしたい、ネットワーク上での購入の際にはネットワークを通じて支払も済ませたい、といったより効率的な決済サービスが求められている。このような企業や消費者のニーズに対応するものとして、情報通信技術を駆使した新たなサービスが生み出されてきていることに留意が必要である。