多重放送

地上波多重放送

放送局が使用している電波帯域の中で放送に利用している電波のすき間を利用して、本来の放送とは別の信号を送って情報を提供するシステムの総称。これは、一般電話回線の空いているすき間を利用して始められたインターネットやパソコン通信のように、テレビなどの電波のすき間を利用する新しい放送の電波帯域利用法として注目を集めている。受信側では、ある種の特別な受信装置を使って信号を取り出し、利用する。テレビの場合には、時間的すき間の垂直帰線消去期間、周波数的なすき間の副搬送波が利用される。多重放送として考えられるものには、2カ国語放送やステレオ放送として利用されている音声多重放送やデータ放送として利用される文字放送、静止画放送、ファクシミリ放送などが考えられる。従来は一般放送に利用されているデータ放送や音声多重放送を多重放送といっていたが、最近はCSやBSなどの衛星放送の多チャンネル化にともない、一般放送の電波帯域を利用したものを地上波多重放送といい、その中でデータ放送を地上データ多重放送というようになった。郵政省は1996年4月からテレビの電波を使って各家庭に新聞などの記事を送信するテレビ新聞サービスを認めた。テレビ新聞は、記事の文章や静止画、データなどをすき間で送り、一般放送と比較をしながら、必要なデータだけをハードディスクなどに保存することも可能になった。このような電波のすき間を利用したデータ通信としてインターキャストやインターテキストが注目を集めている。日本トータルネットは1997年10月から、NHK総合テレビの電波を利用して、日本文字放送が制作するスポーツニュースをメーンとした専用番組「テレモニュースリバー」にCMを入れて受信専用のLED表示器に送信し、タクシーや病院、銀行などに文字情報を提供するサービスを開始した。しかし、受信料を一般から徴収しているNHK総合テレビの電波を利用した営利事業は今後、問題になることだろう。総務省の「電気通信事業における重要通信の在り方に関する研究会」は2003年4月11日に、災害などの緊急時、通信がどのような対策を取るべきかの報告書案をまでにまとめ、意見を求めた。詳細情報はURL(http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030411_1.html)で知ることができる。