Bitter Valley構想宣言!


Bitter Valley構想宣言!(起草日:1999年3月5日)

● 時は世紀末、100年に一度の大社会変革期の真っ最中。そして、その重要な主役がインターネットであることに気づいた若いベンチャー企業が東京・渋谷付近に続々と集積している。おそらくその土地の風が未来有為の若者を惹きつけるのであろう。

'渋'・'谷'=Bitter・Valley、そう、アメリカにSilicon Valleyがあるなら、日本にはBitter Valleyがある!

● われわれ渋谷系インターネット関連ベンチャー企業は、ここにBitter Valley構想を発表し、日本および世界の市民がインターネットを用いてより豊かで楽しく便利な生活をおくるための活動を協力しておこなうことを宣言する。

● 集積・近隣の利点を活かして、さまざまな交流によって生まれるマグマのなかから、新ビジネス、新企業を創出しよう!また、各メンバー企業間のシナジーを追求し、Win-Win関係を創造しよう!そして、世界のデジタル集積地区と交流を深めよう!

● 将来は、拠点を共有し、資金調達も含めて、有為な若者にあらたなインターネットビジネスを次々に生み出すインキュベーションの場を提供する!

● 言葉とは不思議なものである。Bitter Valleyと命名するだけで、言葉に生命が吹き込まれる。ハメルンの笛ふきのように、Bitter Valleyの名をきいて、われもわれも、と、ネット経済革命の同志が現れることだろう!

●ことの起こり

東京都渋谷区松涛のこの地にガレージベンチャーにふさわしい質素なオフィスを借りてようやく1年が経ちました。この間、多くのお客様にご来訪頂き、また私自身いろいろな会社を訪問させていただきました。そして、その多くは「ご近所さん」だったのです。つまり、なぜか渋谷周辺には、当社と同じような志をもったネット系ベンチャーが多数点在していることに気づいたのです。

そのころAOL, Netscape, Microsoftなどが点在する初台、笹塚周辺を「日本のシリコンバレー」と称した新聞記事が出ました。「彼らも渋谷だが、僕たちスモールベンチャーも渋谷。渋谷こそ、ネットベンチャー系企業の聖地ではないか。それに、渋谷を英語になおせば、Bitter Valley。'アメリカにSilicon Valleyがあるなら日本にはBitter Valleyがある'うん、これは語呂もいい。そうだ、Bitter Valleyを日本のシリコンバレーにしよう!」と一人で興奮して、近しい人たちにふれまわっていました。

正確には「渋い」はastringent、またはaustereなのですが、誰も知らない単語なのでbitterで代用しました。まあ、雰囲気は伝わりますよね。(その後、bitterには「ベンチャー創業のつらさ」、「bitな人々」という意味合いも込められている、という後解釈も付け加わりました。ネグロポンテもびっくり!)

●こんなにあるBitter Valleyベンチャー企業群!

実際にどんなネット系ベンチャー企業があるのか、みてみましょう。

◆インディゴ(渋谷区初台)
◆インターQ(渋谷区桜丘)
◆ホライズン・デジタル(渋谷区道玄坂)
◆ニューズベース(渋谷区神宮前)
◆(有)電脳隊(渋谷区恵比寿)
◆キノトロープ(渋谷区富ヶ谷)
◆デジタルガレージ(渋谷区富ヶ谷)
◆クララオンライン東京支社(渋谷区初台)

そして、発起人の属する会社
◆ネットイヤーグループ日本支社(渋谷区松涛)
◆ネットエイジ(渋谷区松涛)

近隣には
■エムディーエム(あの楽天市場で有名!)(目黒区)
■イェルネット(目黒区)
■サイバーエージェント(表参道)
■オンザエッヂ(六本木)
■メールニュース(新宿)
■リンクメディア(港区南青山)

ほかにもまだたくさんあって書ききれません。

大手資本系では、AOL, Netscape, Microsoft, WebTV, Excite, Infoseekなどの日本法人やアスキーなど、大どころが目白押し。おっと、OCNで有名なNTTさんも初台にいますね。

● Bitter Valley構想宣言!

そんななか、弊社の株主でもある米国ネットイヤーグループの創業者の小池さんにその話をしたら、彼もまさにネットビジネスインキュベーションの構想をもっていて、この話とぴったりはまりました。そして、もう次の日には、最初の構想を文章にしてくれました。彼は、シリコンバレー、シリコンバレーを熟知している日本人です。彼の起草した趣旨を下に紹介します。

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Bitter Valley構想(起草:1999年2月23日)

<設立趣旨>
近年の米国におけるネットワーク・エコノミーの興隆は、シリコンバレー(北カリフォルニア)、シリコンアレー(ニューヨーク)、デジタルコースト(南カリフォルニア)、ルート128(ボストン)といった地域密着型コミュニティーにより発展してきました。日本においても官公庁、大学、研究機関、ベンチャー・キャピタル、民間企業、各種団体等の協力を得ながら情報の共有化、教育を行い、また海外との交流を図りながらインターネット関連ベンチャー・ビジネスの創出、育成が急務となってきています。東京でも若者の町として現在も多くのインターネット関連ベンチャー企業が集中する渋谷区周辺地域をBitter Valley(=渋谷)と命名し、日本におけるネット・ビジネスのメッカとして多くのベンチャー企業を誘致し、投資を呼び込み、情報の共有化と競争によりベンチャー企業の底上げを行うことを目的とします。

<オープンな相互支援組織>
この組織は、オープンな相互扶助を基本とする組織でなければならないと思っています。シリコンアレーの母体となったNew York New Media Associationも起業家、学生、大企業、弁護士、会計士、ベンチャー・キャピタル等色々なメンバーが自由に参加しています。それぞれビジネス上のメリットは大いに求めてWin-Winのシチュエーションを作るべきだとは思いますが、閉鎖的な組織にはしたくありません。シリコンバレーもスタンフォード大学周辺から広がって地理的には、かなり広範囲に広がっています。たまたま渋谷=Valleyだった訳で、象徴的な名称として使うことはあれ、渋谷区に限定する必要はありません。東京以外の人、企業でも入会は自由であるべきだと思います。

<海外との交流>
ニューヨーク、シリコンバレー等の団体との交流も重要です。各種団体との提携も図っていきます。また、起業環境の違いから米国での日本人による起業も促進して行ければと思います。シリコンバレーでもイスラエル、中国、インドなどから多くの起業家が渡米し事業を起こしています。日本人も殻に閉じこもらずにもっと世界に出るべきだと思います。

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お知らせ:
本文ではBitter Valleyとなっていますが、その後、「Bitterには、過酷な、ひどい、というようなネガティブな意味があるため、外国人には受けが悪い」という理由から、Bitterを短縮し、デジタルを意味するBitとして、BitValleyと改名しました。ビットバレーとご記憶ください。