21世紀の知的財産権を考える懇談会報告書


特許庁が1996年12月に、21世紀の知的財産権政策のあり方について検討し、1997年4月7日に報告書公開した。日本経済団体連合会は2004年1月20日に、「戦略的な国際標準化の推進に関する提言」を公開した。詳細情報はURL(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/007.html)で知ることができる。映画やアニメ、ゲームソフト、音楽、漫画などのコンテンツ産業は11兆円(2001年)の市場規模が2010年には15兆円に膨らむと予測され、21世紀の日本経済をけん引する役割があるとして期待されていることから、政府の知的財産戦略本部が2004年5月27日に決定した「知的財産推進計画2004」では、コンテンツ・ビジネス振興策の1つとして、業界の近代化などを掲げ、事業者と法律家の交流活動の奨励・支援を盛り込んだ。また、知財戦略本部員を務める久保利英明弁護士など、法律家と映画・音楽・放送界幹部らが2004年4月に「エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク」を設立している。このような業界の実情にも権利関係にも明るい弁護士を「エンタメ・ロイヤー」と呼ぶようになっている。米国のGAO(General Accounting Office/米国連邦会計監査院)は2004年6月1日に、中小放送局のロイヤリティに対する経済的負担に関した支援のレポート「Intellectual Property: Economic Arrangements Among Small Webcasters and Their Effect on Royalties. GAO-04-700」を公開した。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-04-700)で知ることができる。日立製作所は2004年6月10日に、事業戦略、研究開発戦略、知財戦略を三位一体で融合させることを目標として、日立グループの技術経営に関する報告書「研究開発及び知的財産報告書2004」を発行することを発表した。詳細情報はURL(http://www.hitachi.co.jp/media/New/cnews/month/2004/06/0610a.html)または、URL(http://www.hitachi.co.jp/ip/)または、URL(http://www.hitachi.co.jp/ip/2004/chizaihokoku2004.pdf)で知ることができる。ワシントンポスト(Washingtonpost)は2004年5月28日に、不法なファイル共有に従事するか、不法に商用ウェブを使用したユーザーに禁固刑を宣告でき、US$1,250 300,350の罰金を科することができる、インターネット上の知的財産保護を目指した、世界で最も厳しい法案がイタリア議会を通過したと報告した。詳細情報はURL(http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A62749-2004May28.html)または、URL(http://www.onlinejournalism.com/ojc/topics/brief.php?briefID=71578l)または、URL(http://www.onlinejournalism.com/ojc/writers/archive.php?personID=407l)または、URL(http://www.onlinejournalism.com/ojc/topics/index.php?tID=47)で知ることができる。経済産業省特許庁総務部技術調査課は2004年6月11日に、平成14年7月に決定された知的財産戦略大綱に基づき、平成15年9月1日から平成15年9月30日に実施した標記調査に係る結果を公表した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/press/0005309/index.html)で知ることができる。ロイターは2004年8月19日に、米国の第9連邦巡回控訴裁判所(U.S. 9th Circuit Court of Appeals)が、「愚か(unwise)」で米国の議会に振り回されたRIAAやMPAAが求める既存の著作権基準は根本的に見直し、軽減する必要があり、3人の裁判官パネルリストは、新技術で、市場がそれら自身を修正する方法を持っていることを歴史が証明したと言い、特定の市場乱用に取り組む目的で責任理論を再構成する前に、法廷が注意すべきであるとして、ファイル共有ネットワークがビデオカセットレコーダーのように、禁止されてはならないと裁決し、Groksterおよび他のオンライン・ファイル共有ソフトウェア会社が著作権侵害に対して責任がないと裁決したと報告した。詳細情報はURL(http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=internetNews&storyID=6023611)で知ることができる。米国のGAO(General Accounting Office/米国連邦会計監査院)は2004年9月23日に、知的財産に関するレポート「Intellectual Property: U.S. Efforts Have Contributed to Strengthened Laws Overseas, but Challenges Remain. GAO-04-912」と、Loren Yagerの知的財産に関する実証実験レポート「Intellectual Property: U.S. Efforts Have Contributed to Strengthened Laws Overseas, but Challenges Remain, by Loren Yager, director, international affairs and trade, before the House Committee on Government Reform.GAO-04-1093T」を公開した。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-04-961)または、URL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-04-1093T)で知ることができる。日本経済団体連合会は2005年3月15日に、「知的財産推進計画2005」の策定に向けてを公開した。詳細情報はURL(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/013/index.html)で知ることができる。外務省は2005年5月10日に、地球規模問題に関する意識調査を公開した。詳細情報はURL(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/i_chosa.html)で知ることができる。日本が最先端を走り続けているデジタルカメラ業界について、イギリスのVNUNet UKは2005年10月12日に、世界最大のデジタルカメラCCDメーカーである5社キヤノン、ニコン、ソニー、コニカ、富士フイルムは画像がぼけ、完全に画像が記録できない欠陥があることを消費者に警告したと報道した。この欠陥は、CCDの後ろの配線が高温になり、取られたどんなイメージが歪められてしまうということで、これまではカメラの電子チップと配線は高温による画像の歪みを保護するためにエポキシかセラミックのケースに入れられているが、セラミックは高価であることから、一般的なCCDにはエポキシを採用されていることから起こったと報告している。詳細情報はURL(http://www.vnunet.com/vnunet/news/2143689/digital-cameras-fail-en-masse)で知ることができる。また、Canonの弁解はURL(http://www.canon-asia.com/index.jsp?fuseaction=image-phenomena_notice)、Sonyの弁解はURL(http://www.css.ap.sony.com/consumer/template/ANDetails.aspx?Id=45536)、Konicaの弁解はURLhttp://www.konicaminoltasupport.com/English.importantnotice_en.0.html)、Fujiの弁解はURLhttp://www.fujifilm.com/JSP/fuji/epartners/ServiceSupportProductContent.jsp?dbid=839010%20&prodcat=2147483647&sscucatid=664262&quicklink=true)、Nikonの弁解はURLhttp://nikoneurope-en.custhelp.com/cgi-bin/nikoneurope_en.cfg/php/enduser/std_adp.php?p_faqid=15856&p_created=1128531889&p_sid=GZqi8KRh&p_lva=&p_sp=cF9zcmNoPSZwX3NvcnRfYnk9JnBfZ3JpZHNvcnQ9ZmFxcy51cGRhdGVkOkQmcF9yb3dfY250PTc5NSZwX3Byb2RzPSZwX2NhdHM9JnBfcHY9JnBfY3Y9JnBfcGFnZT0x&p_li=&p_topview=1)で読むことができる。CCDの低価格化により、携帯電話などにも多く採用されているが、撮影した写真が歪むということは、カメラマンの著作物をデジタル的に破壊したことにもなり、本来の著作者を保護する目的作られた著作権問題も発生する可能性が十分にある。このようなときに、これまで企業の営利ばかりを追求してきた知的財産高等裁判所は、どのように判断するのか注目する必要がある。被告は世界最大のデジタルカメラCCDメーカーである5社キヤノン、ニコン、ソニー、コニカ、富士フイルムであり、訴えることができるのは、カメラ付き携帯電話などを持っているユーザーから、デジタルカメラを使っている素人からプロまでになる。NBCは、Economists Incorporated社のStephen E. Siwekによって調査された、非常に興味深い米国の経済に知的財産権産業の経済貢献を定量化する新しい調査結果「Engines of Growth: The Economic Contributions of the U.S. Intellectual Property Industries」を2005年11月7日に公表した。この調査では、収益を生み出すために最も著作権または特許保護に多く頼り、労働者を雇用し、補償し、経済成長に関与する産業を分析し、レポートは「収束産業界(Convergence Industries)」を定め、これらの産業は、デジタルフォーマットで音声、テキスト、オーディオとビデオ情報を作り、操って配信し、表示し、格納して、輸送するために、基本的に著作権や特許保護に依存し、若干のスタイルの良さも要求されていると興味深い報告をしている 詳細情報はURL(http://nbcumv.com/corporate/release_detail.nbc/corporate-200511785744-newstudyquantifies.html)また、Economists Incorporated社のStephen E. Siwekについては URL(http://ei.com/bio_steve_siwek.html)また、レポートはURL(http://nbcumv.com/corporate/Engines_of_Growth.pdf)で知ることができる。IIPA(International Intellectual Property Alliance/国際知的所有権協会)から2006年2月13日に公開された新しいレポート「2006 Special 301 Report on Global Copyright Protection and Enforcement」によれば、世界中のビジネス上で2005年にUS$300億〜350億の著作権侵害が起こったと報告した。そして、研究グループはインターネット上で起こった著作権侵害に関して、まだ「重要な」数字を得ることができないことから含まれていないとも報告している。確かにGoogle問題で起こっている、著作権侵害であるかどうかの判断はできないし、さらにインターネットは基本的にハイパーリンクを基本に構築され、その機能を利用した場合の著作権に関する考え方は明確ではなく、もし著作権侵害というのであれば、インターネットでHTMLを使うこと自体に問題が波及することになる。インターネット上で起こっている著作権問題は、インターネットが中立であるという基本概念を忘れ、民主主義を忘れたような企業優先、軽薄で、嘘のような正義の味方を気取った著作権や知的所有権に関する判決も多く、まず、裁判官にもう少し真剣に勉強したら---といいたくなることも多々あり、根本的な判断は永遠に不可能なのかもしれない。今のように大きな声を出して有利にしたり、大企業が大金で弁護士を雇い、個人や中小企業を攻撃しているようでは、地球規模の民主主義も永遠にこないのかもしれない。また、今回の著作権問題調査で一番大きな問題になっているのは、ロシアで起こっている海賊行為で、今回の調査で明らかになったのは全体の70〜80%で、実質的な被害に至っては明確にしにくい問題であるとも報告している。詳細情報はURL(http://www.iipa.com/special301_TOCs/2006_SPEC301_TOC.html)で知ることができる。経済産業省は2006年6月30日に、「平成17年度知的財産活動調査報告書」についてを公開した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/press/20060630007/20060630007.html)で知ることができる。米国のGAO(General Accounting Office/米国政府監査機関)は2006年12月8日に、著作権侵害を組織的に調査するSTOP(Strategy for Targeting Organized Piracy)の長期戦略に関するレポート「Intellectual Property: Strategy for Targeting Organized Piracy (STOP) Requires Changes for Long-Term Success. GAO-07-74」を公開した。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-07-74)で知ることができる。米国のGAO(General Accounting Office/米国政府監査機関)は2006年12月19日に、科学、ビジネス、規定、および知的所有権問題は、新薬開発の妨げになると報告したレポート「New Drug Development: Science, Business, Regulatory, and Intellectual Property Issues Cited as Hampering Drug Development Efforts. GAO-07-49」を公開した。何でも知的所有権、著作権と企業などは利権を求めるが、政府はそこからのおこぼれを求めているのか?すぐに同調し、著作権法を改正しようと動くが、実際には国民の安全や健康、さらに市場の自由競争などを十分に考慮し、判断すべきことであり、むやみに企業などの著作権や知的所有権を認めると、社会の不安と絶望感から、市場の閉塞感を煽ることになる。政府は時に英断を下し、市場の活性化を行う必要がある。また、裁判所なども時の流れを把握しないで、判例集だけに頼って判決を下すと言う責任逃れの判断ではすまされなくなっている。詳細情報はURL(http://www.gao.gov/cgi-bin/getrpt?GAO-07-49)で知ることができる。知的財産戦略本部は「知的財産推進計画2006」の見直しとして、首相官邸のサイトで2007年5月31日に「知的財産推進計画2007」を公開した。詳細情報はURL(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keikaku2007.html)で知ることができる。

[全文]
ただし、図版は省いた。

21世紀の知的財産権を考える懇談会報告書
これからは日本も知的創造時代

平成9年4月7日

(五十音順、敬称略)
座長
有馬 朗人   理化学研究所 理事長
委員
相川 賢太郎  三菱重工業(株) 代表取締役会長
金井 務    (株)日立製作所 代表取締役社長
岸 輝雄    東京大学先端科学技術研究センターセンター長
幸田 重教   三井石油化学工業(株) 代表取締役社長
小島 明    (株)日本経済新聞社 取締役論説主幹
椎名 武雄   日本アイ・ビー・エム(株)代表取締役会長
常盤 文克   花王(株) 代表取締役社長日本知的財産協会 会長
中村 寛之助  協和高酵工業(株) 代表取締役会長
中山 信弘   東京大学法学部 教授
薬師寺 泰蔵  慶応義塾大学法学部 教授
若杉 和夫   石油資源開発(株) 代表取締役社長

検討経過
第1回(平成8年12月16日)
テーマ「我が国の知的財産権の危機」
「知的財産権」の価値向上に向けて

第2回(平成9年1月29日)
テーマ「国際調和のための道筋」
グローバル・システムの構築に向けて

第3回(平成9年2月17日)
テーマ「知的財産権制度の活用」
科学技術創造立国に向けて

第4回(平成9年3月3日)
テーマ「制度のあり方と行政の役割」
21世紀の知的財産権インフラに向けて
第5回(平成9年4月7日)
とりまとめ

目次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
第1章 知的財産権を取り巻く状況
1.新たな時代と科学技術・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.「知的財産権」による「知的創造サイクル」・・・・・・6
3.我が国の知的財産権の危機・・・・・・・・・・・・・・6
第2章 今後の知的財産権のあり方
1.総論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2.各部門に求められるもの・・・・・・・・・・・・・・・10
3.提言

<21世紀の知的財産権の目指す方向>・・・・・・・・・11

第1. 知的財産権の「広い保護」・・・・・・・・・・・12
第2. 知的財産権の「強い保護」・・・・・・・・・・・16
第3. 大学・研究所の「知的財産権振興」・・・・・・・20
第4. 「特許市場」の創設・・・・・・・・・・・・・・24
第5. 「電子パテント」の実現・・・・・・・・・・・・26
第6. 「発展途上国協力」の推進・・・・・・・・・・・28
第7. 「世界共通特許」への道・・・・・・・・・・・・30
第8. 「知的財産権政策」の国家的取り組み・・・・・・32
おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

はじめに

「21世紀の知的財産権を考える懇談会」は、これまで我が国経済発展の基盤として重要な役割を果たしてきた知的財産権に関して、最近の急激な環境変化を踏まえ、21世紀に向けて我が国の目指す方向を明らかにすることを目的に、特許庁長官の私的懇談会として開催された。

当懇談会では、知的財産権について幅広く検討するために、大学関係者、産業界の経営者、知的財産権に関する専門家等の参加の下に、平成8年12月以来、5回に及ぶ会合を積み重ね、率直な議論を行ってきた。

この中で、特に、
1.米国では、10年以上も前から知的創造活動の成果を重要な「知的財産権」と位置付けて保護強化を図り、国際競争力強化に努めてきたこと
2.発展途上国においても、WTO・TRIPS協定を受けて、知的財産権制度の整備が進められていること
3.国際的には、ロイヤルティ・損害賠償額の高額化に見られるように、知的財産権の価値が高まっていること
4.我が国の一部の企業においても、知的財産権保護の重要性に対する認識が高まりつつあること
5.我が国においては、昨年閣議決定された科学技術基本計画を受けて、科学技術創造立国の実現に向けた各方面における具体的な取り組みが進めら れていること
6.我が国としては、「創造」した「科学技術」を価値ある「知的財産権」として蓄積し、活用していくこと、このため「知的財産権」についての取 り組みを強化していく必要があることが浮き彫りにされた。

 本報告書においては、こうした検討を踏まえ、知的創造時代である21世紀の我が国知的財産権の目指す方向について提言を行うこととしたい。

第1章 知的財産権を取り巻く状況

1.新たな時代と科学技術

「21世紀はどのような時代になるのであろうか・・・・・・」
 近時、インターネットの爆発的普及、「ハード」に価値を見い出す傾向から「情報やソフト」に価値を見い出す傾向への変化など、これまでとは違う「新たな時代」に向けての兆候は、既に我々誰もが感じとっているところであり、世界的趨勢でもある。

 こうした新たな時代に目を馳せた時、この問いを解くカギは、「情報化」と「グローバル化」という二つの大きなうねりであろう。

 「情報化」は、マルチメディア等情報通信分野の著しい技術革新に伴い、研究開発や創作活動をはじめ社会全体に大きな影響を及ぼすとともに、経済全体の生産性と付加価値の向上をもたらす。
 「グローバル化」は、各国経済の相互依存関係を深めるとともに、「国境を越えた大競争」をもたらす。

 一方、人類の未来には、地球環境問題、食料問題、エネルギー問題等地球規模の諸問題がたちはだかっている。

 こうした問題に、科学技術が大きな役割を果たしていくことが期待されている。このため、我が国においても、科学技術基本法の制定、科学技術基本計画の策定がなされた。

2.「知的財産権」による「知的創造サイクル」

 21世紀は、知的創造時代であり、「科学技術」を発展させ、その成果を蓄積し、有効活用することが重大な課題である。

近時、ロイヤルティ、損害賠償額の高額化に見られるように、国際的に「知的財産権」の価値が高まっている。
 科学技術創造立国を実現するためには、創造された技術を適切に保護し、効果的な活用体制を確保するとともに、その技術を財として明確に位置付けることにより経済的価値を生み出す、「知的財産権」による「知的創造サイクル」を築き上げることが必要である。

3.我が国の知的財産権の危機

 しかしながら、21世紀をむかえるに当たって、世界一の特許大国といわれている我が国の「知的財産権」は危機に瀕している・・・・・・
 80年代からの米国のプロパテント(特許重視)政策、WTO(世界貿易機関)のTRIPS協定の成立によって、国際的な知的財産権保護の要請が高まった。
 我が国も産業界をはじめとしてこのような認識が高まってきた。
 しかし、10年以上前からプロパテント政策を実施し、いわば国全体として知的創造活動の成果を重要な「知的財産権」として位置付け、重視してきた米国と、「キャッチアップ」型技術開発の成果保護をベースとしてきた日本とでは、違いが出ている。

1)過去10年間の研究開発成果
 米国は過去10年間に、研究開発成果として99万件の特許出願(内国人出願)を行い、約16兆円の技術貿易黒字をあげているのに対して、日本は米国の4倍以上の特許出願(内国人出願)を行っているにもかかわらず、約4兆円の技術貿易赤字となっている。

2)海外への特許出願
 近年、米国企業は海外における特許取得を積極的に行っており、94年は米国内への特許出願件数の約6倍も海外へ出願している。
 一方、日本企業は、海外への出願件数は94年は15万件と若干増加したものの、国内出願の半分に過ぎない。海外での権利取得の面でも日本企業は米国企業に遅れをとっている。

第2章 今後の知的財産権のあり方

1.総論

 知的創造時代である21世紀においては、知的財産権による知的創造サイクルを加速化することにより、「技術」を活用することが重要である。

 しかしながら、米国が80年代より、知的財産権を重視し、国として競争力強化に努めてきたのに対して、我が国は国全体として、この知的財産権の価値を十分認識し、活用してきているとはいえない。

 我が国が、明治維新、戦後に続いて第三の大変革期を迎え、21世紀を切り拓いていくためには、国全体として知的財産権の価値を認識し、高め、有効活用していくという「知的財産権についての意識革命」が必要である。

 知的財産権は、技術や人の感情の表現についての「情報」を保護の対象とするものであり、「物(有体物)」と違い、一定の場所を必要とせず、同時に多数の人が使用可能である。
 また、知的財産権は、基本的人権、所有権等とは違い、天賦のものではなく、産業や文化の振興という政策目的により認められた権利である。このため、現状の保護形態は絶対的なものではなく、時代とともに変遷し、現在保護されていないものでも将来保護される可能性がある。

 しかしながら、現行の知的財産権制度は、「物」についての所有権の考え方を借用した、いわば「所有権」的な法制となっている。

 したがって、今日、経済社会の重要な要素となってきた「情報」は、国境を越えたネットワーク化の進展に伴い、各国毎の制度による保護を維持することが困難になりつつある。
 更に、知的財産権の対象とするべき「情報」の範囲は急速に拡大してきており、その利用形態も多様化してきている。

 今後、「情報化」、「グローバル化」の流れの中で、「情報」をそれぞれの特性に応じて、適切かつ十分な保護を行うとともに、国際調和を踏まえた知的創造活動の活性化に資する総合的な知的財産権制度が求められている。

2.各部門に求められるもの

1)産業界
 我が国産業界において、知的財産権に関する認識が高まってきているが、米国企業に比べ、企業の重要な資産であるという考え方は薄く、経営トップの認識も総じて低い。

 米国企業は、知的財産権を重要な戦略手段と位置付け、グローバルに展開している。これに対し、我が国企業は、とりあえず他社より先に取得するという防衛目的による国内出願が多い。
 
今後は、産業界として知的財産権を重要な経営資源として位置付けて、国際的な戦略を展開し、研究開発をリードし、企業収益に貢献するような知的財産権管理が求められている。

2)大学・研究所
 大学・研究所は、基本技術の研究開発を期待されているが、これまで知的財産権に対する認識は総じて低く、知的財産権に係る活動が活発であったとは言えない。A 今後は、研究者の「知的財産権」マインドを高めるとともに、成果を産業界へ円滑に技術移転していくことが求められている。

3)行政
 行政としては、知的財産権制度が科学技術振興を支援するための有効なツールであることを十分に認識し、このツールの持つ機能を最大限に活用することが必要である。
 このため、特許重視(プロパテント)政策を実施し、知的財産権の保護強化を図るとともに、産業界、大学・研究所と共に、知的創造サイクルを加速させるために総合的な知的財産権インフラを整備していくことが求められている。
 また、その際には、競争政策とのバランスも考慮する必要がある。

 以上の認識を踏まえて、本懇談会は、21世紀の知的財産権の目指す方向と題して、産業界、大学・研究所、行政をはじめ我が国全体として、今後、真剣な検討を行い、適切な取り組みを行うことが必要と考える8つの項目について提言をとりまとめた。

3.提言

21世紀の知的財産権の目指す方向

第1. 知的財産権の「広い保護」
第2. 知的財産権の「強い保護」
第3. 大学・研究所の「知的財産権振興」
第4. 「特許市場」の創設
第5. 「電子パテント」実現
第6. 「発展途上国協力」の推進
第7. 「世界共通特許」への道
第8. 「知的財産権政策」の国家的取り組み

第1. 知的財産権の「広い保護」

現状及び課題
(1)広がる知的財産権のエリア
 知的財産権制度は、産業や技術の発展とともに、保護の対象やスキームが拡大している。
 特許の場合、制度の発足以来、科学技術の発達、社会を取り巻く環境の変化に伴い、保護の対象は次第に拡大されてきた。

 現在「電子マネー」特許の出現により、これまで「特許の世界」と縁がうすかった金融分野においても特許が注目されている。
 「電子マネー」は高度情報化社会における主要な決済手段となることが期待され、金融や情報通信分野の自由化を背(に、経済社会システムそのものを変える可能性がある。

 また、バイオテクノロジーでは、遺伝子工学技術によって種々の発明が可能となっている。この分野において、我が国としても研究開発を強化し、優れた知的財産権を取得していくことが求められている。

 これまで「知的財産権」は、企業では製造業が中心であった。
 今後は、産業・技術のソフト化や「知的財産権」の「経済財」としての価値の高まりにより、銀行に続いて証券、保険、流通、病院などのサービス業においても、「知的財産権」が重要な役割を担っていくことが予想される。

 21世紀においては、革新的な技術が創出され、我々人類と経済社会に大きな変革をもたらすであろう。そして、「知的創造活動」は高度化・多様化し、それに伴い創出される成果は、従来の法体系とは異なった新たな制度の下に保護されることが必要である。

(2)フロンティア型技術開発の成果の保護
 従来のキャッチアップ型技術開発期においては、どちらかと言えば、先行する欧米諸国に追いつくため、導入した基本技術を国内で効率的に普及させるための改良発明の保護重視であった。

 今後のフロンティア型技術開発においては、基本発明の保護を重視するスタンスにシフトし、創造性の高い技術や基本技術の開発のためのインセンティブを高める必要がある。

目指す方向
 これからは、
・産業・技術のソフト化に伴い「知的創造活動」が高度化・多様化する。
・我が国の研究開発が「キャッチアップ型」から「フロンティア型」へ移行し、基本技術・革新的技術の占める割合が高くなっていく。
このため、知的財産権の保護を拡大する。

(1)知的財産権のサービス業への広がり
 現在、電子マネー特許が注目を集めている。このように、特許等の知的財産権を取得・活用する業種が、従来の製造業中心から金融・流通等のサービス業にも広がっていくことが予想される。A これらの業種においても、知的財産権に関する認識を高めるとともに、適正な知的財産権管理が求められる。

(2)新領域における保護スキームの構築
 ハイテク技術の急速な進歩や高度情報化社会の進展に伴い、以下の分野に関し、保護の必要性も含めて保護スキームの構築に関する検討を行う。
 例:ソフトウェア、データベース、コンテンツ、インターネット・ドメインネーム、キャラクター、バイオ等

 一方、情報流通に関する環境変化に伴い、今後のマルチメディア産業の発展のための基盤整備が必要となっている。
 これらの検討に際しては、各種知的財産権の関係を十分整理しておくことが必要である。

 その際、特許についても、必要に応じてその保護対象の拡大を検討する。

(3)特許の権利範囲の拡大
 基本技術の「広い保護」を目指し、特許の権利範囲を拡大するため、特許の権利範囲の設定に係る運用の徹底・統一を図る。また、いわゆる「均等論」を含め、クレーム解釈のあり方を検討する。

(4)特許出願の量から質への転換
 従来の改良発明は、とかく大量の特許出願になりがちであったが、今後、基本発明に移行するに伴い、特許出願も質が重視される。

第2. 知的財産権の「強い保護」

現状及び課題
 我が国の知的財産権侵害訴訟における損害賠償額は、実施料相当額に留まっているケースが多く、その引き上げを求める声が強い。
 また、今後、知的財産権を巡る競争の激化、紛争の多発が予想され、適切な紛争解決が求められている。

目指す方向
 開発インセンティブを高め、十分な権利行使を行うため、行政と司法の適切な役割分担を踏まえつつ、「強い権利保護」を目指し、権利行使機能の充実を図ることが求められる。

(1)損害賠償額の引き上げ
 我が国の知的財産権侵害訴訟における損害賠償額は、総じて低く、開発インセンティブを高めるためには、損害賠償額の引き上げが必要であろう。
 具体的には、特許法第102条など損害賠償額の算定に係る制度の見直しを行うことが求められる。
(参考:日本の特許法では、実施料相当額を損害額として請求することができる旨を規定(第102条)米国の特許法では、故意侵害の場合、裁判所は、認定した損害額の3倍まで増額が可能(第284条))
(2)紛争処理機能の充実
 諸外国では、特許裁判所が設置されていることや権利者の立証負担が軽減されるよう証拠開示手続(米国におけるディスカバリー制度)が整備されている例が見られる。
 我が国においても、迅速で専門性の高い紛争処理機能の充実が求められている。
・証拠開示手続に係る検討
(改正民事訴訟法の運用を踏まえつつ、権利者の立証負担を軽減するため、証拠開示手続についての検討を行うことが求められる。)
・裁判外紛争処理機能の拡充
(現在、日弁連と弁理士会において共同で知的財産権専門の仲裁機関を設置することについて検討が進められている。
 また、特許庁における判定機能を充実させることが求められる。)
・知的財産権専門裁判機能の拡充
(訴訟案件の増加に伴い、部門の拡充が望まれる。)
・審判機能の充実
(特許付与後の異議申立制度導入による審判案件の増加等に伴い、審判機能の充実を図る。審判期間の短縮に努める。)

第3. 大学・研究所の「知的財産権振興」

現状及び課題
 大学・研究所は、基本技術の研究開発が期待されている。これまで知的財産権に対する認識は低く、特許に対する取り組みをみても知的財産権に係る活動が活発であったとは言えない。
 成果を産業界へ円滑に技術移転していくためのメカニズムについても問題がある。

目指す方向
 大学・研究所において、研究開発活動に知的財産権を組み込むとともに、成果の産業界への円滑な技術移転を図る。
(1)リエゾン機能強化
 大学、研究所から生まれる研究開発成果を円滑に権利化し、技術移転させ、事業化に結びつけることが重要である。このため、知的財産権に係るリエゾン機能(権利化、知的財産権管理、権利行使、ライセンス等)の強化を図る。
・リエゾンオフィス(技術移転事務所)の設置
・知的財産権に係る専門家の活用
・特許等関連情報データベースの設置
・研究者や知的財産権管理担当者への研修および相談事業の実施

(2)知的財産権を研究活動の成果として評価
 「一つの特許は十の研究論文に相当する」とも言われている。
 今後は、論文に加え、知的財産権取得も研究活動の成果として評価すべきである。

(3)権利の帰属及び実施に係る制度の見直し
 研究所(国立研究機関)
●国立研究機関単独研究
 研究者のインセンティブ付与の面から、工業技術院、科学技術庁では研究者個人に対する権利の帰属(50%国、50%研究者(個人帰属))を行っており、他省庁の国立研究機関においてもこのスキームにつき検討することが望まれる。
●国立研究機関と民間企業との共同研究
 国立研究機関との共同研究について民間企業のインセンティブを強め、研究開発成果を産業界に円滑に技術移転していく。

 国立研究機関と民間企業との共有特許について、権利の運用・処分に関するルールを明確化する。
・民間保有分については、第三者への持分の譲渡、専用実施権の設定等を可能とする。
・優先実施権の付与期間を現行より長くする。
・優先実施権を付与する代わりに、権利の共有者である民間企業が侵害対策を行う。

 なお、工業技術院ではこれらに関し、共同研究規程を改正し、平成9年4月より適用しており、他の国立研究機関においてもその改善に向けて検討が望まれる。

 さらに、一時金の徴収や一括払いを可能とするなど、第三者との契約方式を多様化させる。

大学
 現在、文部省において、国立大学における発明委員会や権利の帰属のあり方を含め、大学における研究成果を民間に円滑に移転する総合的なメカニズムにつき検討が進められている。
 大学のライセンス収入を研究費へ還元させるようなスキームを作ることにより、大学における知的創造サイクルを加速化することが求められる。

 また、大学・研究所の研究者がベンチャー企業を起こし易いよう制度の改善を図ることが求められる。

第4. 「特許市場」の創設

現状及び課題
 現在、商品化等により実施されている特許は22万件で、現存する特許(68万件)の約33%に過ぎない。
 30万件もの特許が製品化され得る可能性を有しながら、実施許諾相手が見つからずに休眠特許として埋もれている。
 知的創造サイクルの活性化の観点から、特許の有効な活用が求められる。

目指す方向
 特許を活用した新規事業の創出を促すとともに、特許によるライセンス収入や譲渡収入を図るため、「特許市場」を創設する。
(1)休眠特許の活用促進
 大企業の多くは、休眠特許をライセンスする相手を求めている。休眠特許の活用を促進し、事業化に結びつけることにより、新規事業の創出を図る。
・特許流通データベースの整備
・特許流通フェアの開催
・特許流通アドバイザーの派遣と特許流通支援事業の創設
・技術分野別特許マップの作成

(2)知的財産権の金融商品化(担保、投資等)の促進
 資金調達手段としての知的財産権の活用を図る。そのため、知的財産権の適正な価値評価方法の検討を行う。

第5. 「電子パテント」の実現

現状及び課題
 特許庁は、世界に先立って1984年より工業所有権行政の総合コンピュータ化計画である「ペーパーレス計画」を推進してきたが、今後も、情報化技術の進展に対応したシステムを構築することにより、世界をリードする。

目指す方向
 「ペーパーレス計画」を高度化させた第3世代システム(電子パテント)を2005年を目途に構築し、行政サービスの高度化を図る。

(1)マルチメディア技術を利用した発明・意匠・商標の表現
 現在、「文字や図面」で表現されている発明(技術的思想)、意匠、商 標を、今後のマルチメディア技術の進展に沿って、「動画」や「音声」等 を用いた方法を取り入れ、表現方法の先進化を図る。

(2)「電子特許庁」の完成
●出願人と特許庁間の双方向オンラインによる事務処理の高度化
 出願、審査、登録、情報提供など出願人と特許庁間のやりとりにつき、 双方向オンラインによる事務処理の高度化を実現する。
・パソコンによる電子出願
・オンラインによる双方向コミュニケーション審査

●工業所有権関連情報提供の充実
 工業所有権関連情報(特許情報、特許流通情報)の提供業務を、インタ ーネットを用いたデータベース・サービスで行う。

●ワールド・パテント・ネットワークの構築
 日米欧三極特許庁を核として、アジア諸国をはじめとする各国特許庁間 のネットワーク化を推進し、データベース化された各国の工業所有権に関 する技術情報、権利情報等(周知商標DB等)へのアクセスを可能とする。

第6. 「発展途上国協力」の推進

現状及び課題
 WTO・TRIPS協定の成立を受け、アジア各国では知的財産権制度の整備が進んでおり、出願件数も急増している。
 また、ASEANにおいては、統一特許商標庁の設立が合意された。

 一方、近時、アジアを中心として日本企業の商標・意匠等に係る模倣問題が顕在化してきている。
 経済のグローバル化に伴い、これらの模倣品は製造国だけでなく、世界中に流通する傾向にある。

 我が国としては、貿易・投資の発展、技術移転の促進のためにアジアを中心とした発展途上国の知的財産権保護体制の整備に貢献することが求められている。

目指す方向
 アジアを中心とする発展途上国の経済発展を支援するため、知的財産権を保護する体制の整備に協力する。

(1)人材育成・情報化・審査協力の拡大
 我が国は、APECにおける知的財産権分野の議長国として、行動指針の実行をリードしている。
 APECを通じた協力や中国、韓国、ASEAN諸国などとの二国間協力を推進していく。
・人材育成
(アジア地域の専門家を招へいする「1000人研修事業」を実施中である。
 今後、相手国や人数の拡大、研修内容の高度化を図る。)
・情報化
(各国特許庁のコンピュータ化に協力する。また、インターネットの活用に より、アジア太平洋地域の特許庁をネットワーク化する「知的財産権情報 モール構想」を推進する。)
・審査協力
(途上国の審査負担の軽減を図るため、特許の審査協力の対象国を拡大する。)

(2)各国における我が国企業の権利行使支援
 アジア地域を中心として、我が国企業製品に対する模倣等の権利侵害状況のモニターを強化し、関係国政府への働きかけを行う。また、産業界においても、業界毎の対応など、その取り組みを強化していく。

・模倣等の実態調査
(各国の法令適用状況、権利侵害状況に関する情報収集を行う。)
・知的財産に係るJETRO等の機能の拡大
(進出日系企業の知的財産権を保護するため、各国JETRO事務所等のコンサルティング機能を拡大するとともに、知的財産権担当者の設置を進める。)
・セミナー開催等の情報提供
(セミナー開催、情報誌発行等を通じて、我が国企業に対し外国出願関係情 報を提供する。)

第7. 「世界共通特許」への道

現状及び課題
 現在の知的財産権制度は、各国毎の権利設定を基本としている。
 経済のグローバル化、研究開発のボーダーレス化に伴い、世界で同じ時期に同じ内容の権利を取得することが望まれる。
 取得コストを低くし、権利化を早くするため、国際協力による特許のグローバル・システムが求められる。
 このため、究極的には、世界共通特許が必要である。

目指す方向
(1)世界共通特許の実現
 WIPO・WTOの場を通じて制度・運用の国際調和をリードする。また、我が国のサーチや審査の結果を英語により発信することにより、日米欧三極特許庁を中心とした我が国の審査結果の尊重、相互認証の働きかけを行う。
 当面は、PCT(特許協力条約)による国際出願の活用を図り、また、WIPO、APEC等の場において、簡易迅速な多国間権利取得手続採用に向けての協議を推進する。
 さらに、国際的な権利取得手続であるマドリッド・プロトコール(商標)、新ヘーグ・アクト(意匠)により統一スキームを実現することが求められる。
 また、米国は、日米合意に基づき早期公開制度を導入するとともに、先発明主義から先願主義に移行すべきである。

(2)世界をリードする日本の特許審査
 我が国において生み出された研究開発成果が、世界に先がけて「国際標準」(国際的な経営・投資判断の指標)の特許として保護されるよう安定した権利を早期に設定する。
・審査期間の一層の短縮(現在の平均2年間の半減を目指す。)
・審査請求制度の見直し(7年間の審査請求期間を3年に短縮又は廃止を検討する。)
・信頼度の高い審査

(3)日本の成果を外国に提供
 世界で唯一実現している電子出願(ペーパーレス計画)の経験や日本が開発した特許検索システム(Fターム)を各国の特許庁に提供する。
 日本の英文特許抄録(PAJ)については、現在のCD-ROM方式に加え、インターネットにより公開する。

第8. 「知的財産権政策」の国家的取り組み

現状及び課題
 95年科学技術基本法制定、96年科学技術基本計画策定がなされ、科学技術振興により、我が国経済社会を発展させる動きが加速化している。このため、生み出された成果を適切に保護し、活用していくためのスキームとして、知的財産権制度は極めて重要である。

 しかしながら、今日、国民に知的財産権の認識が広く行き渡っているとは言い難いこと、知的財産権は多様化しており、関係省庁も多いことなど、知的財産権について国全体として統一的な取り組みが行われていない。

目指す方向
 我が国も「知的財産権政策」について国家的に取り組むことが求められている。

(1)知的財産権についての基本的な方針の策定
 知的財産権について国全体として統一的な取り組みを行うため、知的財産権についての基本的な方針を策定することが求められる。
 この基本方針の下、知的財産権政策の緊密な連携強化を図ることが求められる。

(2)研究・研修機能の強化、知的財産権マインドの向上
 今後の経済・産業を取り巻く環境変化に対応した知的財産権制度のあり方や戦略を探究するため、産学官の知的財産権関連の研究・研修機能を強化する。
 また、知的財産権マインドの向上を図るため、普及、啓発、指導、奨励事業を拡充する。
 更に、初等教育の段階から、知的財産権についての認識を向上させる教育活動を行っていく必要がある。

(3)知的財産権学科の設立
 法学部、自然科学関係学部(工学部、理学部等)、経済学部が協力して、大学院を中心に「知的財産権学科」を設立し、知的財産権についての研究・教育を進める必要がある。

おわりに

 本懇談会報告書において、これまで我が国経済発展の制度的基盤として重要な役割を果たしてきた知的財産権制度の現状、知的財産権を取り巻く状況を検討した上で、知的創造時代である21世紀の我が国知的財産権の目指す方向について提言を行った。

 この中で、科学技術創造立国の実現に向け、「知的財産権」を有効活用していく必要があることを示した。

 そのため、我が国の産業界、大学・研究所については、研究開発の担い手であり知的財産権制度の利用者であることから、研究開発成果が知的資産として十分に生かされるような方向を示している。

 また、行政としては今後、「知的財産権」の保護を強化すること、すなわち、特許重視(プロパテント)政策の実施、知的財産権インフラの整備が求められている。

 本懇談会としては、我が国の「知的財産権」についての提言が実施されていけば、経済構造改革や科学技術基本計画の推進に大きく寄与するものと確信している。

 本報告書を契機として、情報分野など新たな分野における「知的財産権」保護のあり方、競争政策を含めた産業政策や技術政策における「知的財産権」のあり方の議論などについて、各方面において今後更に幅広い議論が行われることを期待する。


知的財産権は知的創造サイクルの原動力
知的財産権の歴史(特許公告年)
アジアのインターネット・ユーザー(1998〜1999)
インターネットユーザーのオンライン金融の利用率
1998〜1999年におけるインターネットの経済的重点
米国における両親のインターネット利用の推移
米国の子供達がインターネットで情報を知る先
2000年8月の地域別、国別インターネット・ユーザー
世界と日本の年平均地上気温の変化(1880〜1998年)
1850年からの大気の変化
米国東海岸の公害状況
米国の学校に接続されたインターネットの数と利用環境
親と学生による教育に必要な要素比較
アジアのインターネット利用環境
アジアのインターネット・ジャンキー
米国の年齢別インターネットユーザーの利用時間
2000年9月のアジアe-commerce環境
NetValueが2000年12月15日に発表したアジアのインターネット状況
TeleGeography社の世界の情報通信マップ案内ページ
WWFの地球環境地図Global 200 Ecoregions
米国エネルギー省が公表しているmap of cyberspace
米国エネルギー省が公表しているmap of the ecology of cyberspace
米国エネルギー省が公表しているmap of industrial power
米国エネルギー省が公表しているmap of democratic power
Jupiter Media Metrixが2001年3月に調べた米国企業のオンライン資産
米国の2001年エネルギー白書(US National Energy Policy May 2001)
Pew Internet & American Life ProjectのThe Internet and Educationレポート2001/09/01
CAIDのインターネットマップCAIDA Skitterのサイト
CAIDのインターネットマップ・ポスター
e-Learningとして利用されているツールや状況
SIIAとKPMGが公開した、インターネット経由の著作権侵害調査報告
Euro RSCGの1945〜1954年と1955〜1964年生まれの技術に対する考えの違い
21世紀に向けたRevolutionzing Space Transportation for the 21st Century
「APECの歴史〜概観〜」
IFPIの「Music Piracy Report 2002(音楽海賊版レポート2002)」
日本政府が制定した新しい情報流通ルールと米国のFOIAの比較
産業構造審議会知的財産政策部会第1回特許制度小委員会での配布資料
産業構造審議会知的財産政策部会第1回特許制度小委員会報告書
日本証券業協会が2002年11月29日に公開したインターネット証券取引調査結果
特許庁が2003年11月20日に発表した模倣品・海賊版の撲滅キャンペーン
戦略的な国際標準化の推進に関する提言(概要)
戦略的な国際標準化の推進に関する提言
中小放送局のロイヤリティに対する経済的負担に関した支援のレポート
日立グループの研究開発及び知的財産報告書2004
経済産業省が2004年6月11日に公表した平成15年度知的財産活動調査結果
GAOが2004年9月23日に公開した、知的財産に関するレポート
GAOが2004年9月23日に公開した、Loren Yagerの知的財産に関する実証実験レポート
日本経団連が2005年3月15日に公開した「知的財産推進計画2005」の策定に向けて/概要
「知的財産推進計画2005」の策定に向けて/本文
Illustrirte Zeitung1856年1月26日に掲載された化学者Justus von Liebig
ミュンヘンのJustus von Liebig研究所
Justus von Liebigの階段教室
Illustrirte Zeitung1856年2月2日に掲載されたPuerta del Solplatz
外務省が2005年5月10日に公開した、地球規模問題に関する意識調査
Konicaが公開した、CCDで起こる2つの事例
NBCが2005年11月7日に公開した米国の経済に知的財産権産業の経済貢献を定量化する新しい調査レポート
レポート「2006 Special 301 Report on Global Copyright Protection and Enforcement」
経済産業省が2006年6月30日に公開した、「平成17年度知的財産活動調査報告書」についてっv
GAOが2006年12月8日に公開した、著作権侵害を組織的に調査するSTOPの長期戦略に関するレポート
GAOが2006年12月19日に公開した、科学、ビジネス、規定、および知的所有権問題は、新薬開発の妨げになると報告したレポート
首相官邸が2007年5月31日に公開した知的財産推進計画2007
CCIAが2007年9月12日に発表した「Fair Use Economy Represents On 」

知的財産権
強制ライセンス
BMI
デジタル映像の著作権保護
著作権
著作隣接権
知的所有権センター
WIPO
電子の透かし
契約書オン・デマンド
グラフィックマン
PictureMarc
サイバー・ノマド
日本音楽著作権協会
データベース保護法案
中央省庁人事情報
1999年5月発表の著作権法の一部改正法律案の概要
「インターネット地球環境基金」構想
GEML(Gene Expression Markup Language)
教育の情報化
教育の情報化(本文)-1
教育の情報化(本文)-2
教育の情報化(本文)-3
教育の情報化(本文)-4
科学技術基本法
ITベンチャー向け損害保険
ネット文化
e-learning
HR-XML Consortium
WISE(Web-based Inquiry Science Environment)
国際知的財産保護フォーラム
Creative Commons
APEC TEL WG 19th Working Group Meeting
APEC EduNet
日・ASEAN協力の「5つの構想」
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自由利用マーク
EYEマーク
CATaC(Cultural Attitudes towards Technology and Communications)
知的財産高等裁判所
オンライン・コンテンツ
Digital Cultural Institutions Project
エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク
エンタメ・ロイヤー
EAEC(East Asia Economic Caucus)
ルック・イースト
インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会
ECIS(European Committee for Interoperable Systems)
中国インターネット協会インターネット著作権連盟
「Winny」を通じた個人情報漏洩者=著作権侵害者
著作権や知的所有権にこだわりすぎて大損をする人たち
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