MPEG4

Motion Picture Experts Group 4>>ISO/IEC 14496-3, Subpart 4

エムペグ・フォー

1994年11月から標準化作業に入り、ISO(International Organization for Standardization/国際標準化機構)とIEC(International Electrotechnical Commission/国際電気標準会議)が共同でが取り組んでいた動画の圧縮・伸長の規格の名称。21世紀の初頭に普及を目指していた。革新的な技術を盛り込めば1/100以上の圧縮率を実現できるものと予測してスタートした。インターネットや無線通信、テレビ会議システム、無線による本格的なマルチメディア利用など、ネットワーク社会の枠組みを大きく左右することになりそうだ。1995年10月30日から11月10日まで、ロサンゼルスとダラスでMPEG4に関する検討会合が開かれ、日米欧を中心とするメーカーや研究機関、大学などがそれぞれ開発したデータ圧縮方式を持ち寄り、再生画面の画質などを比較する評価テストを実施した。1997年7月に再度、評価テストを実施し、1998年10月には最終的な規格策定が完了し、1999年2月に標準化されるといわれている。TwinVQはAAC(Advanced Audio Coding)とともにMPEG4標準に組み込まれたことにより、オンライン・デジタル音楽にとってMP3に代わる最有力規格となるだろうと予測されている。問題はMP3がマーケット戦略に成功し、TwinVQがまだほとんど知られていないことである。松下電器産業と松下電器工業は1996年12月に、MPEG4の有力候補であるウエーブレット変換方式を採用し、テレビ会議システムなど動画圧縮技術に対応した通信用LSIを開発した。東芝は1998年2月にMPEG4に基づいて携帯テレビ電話などに活用できる、176×144画素の画面を毎秒10フレームの速さで圧縮、伸長する9ミリ四方で、電源電圧は3.3ボルト、消費電力60ミリWのLSIを開発した。1998年2月11日に米国のApple社、IBM、ネットスケープ・コミュニケーションズ(Netscape Communications)社、オラクル(Oracle)社、サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社、SGI(シリコン・グラフィックス/Silicon Graphics Inc./Silicon Graphics Cray社と社名を変更したこともある)社の6社は、QuickTimeがMPEG4のベースとしてISOで標準化されたことを発表した。詳細情報はURL(http://product.info.apple.com/pr/press.releases/1998/q2/980211.pr.rel.iso.html)または、URL(http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/9802/sunflash.980211.1.html)、URL(http://www.ibm.com/News/1998/02/ls9802112.html)で知ることができる。1998年12月に開催されたMPEGの会合で、MPEG-4 Version 1は正式に承認された。ただし、エラー耐性技術、JAVAの対応、IPMPの実装などは先送りになった。シャープは世界で初めてMPEG4で動画と音声を記録し、撮影した画像を電子メールに添付して送ったり、ウェブサイトで公開したりできるデジタル・カメラ「インターネットビューカム VN-EZ1」1999年4月27日に発売した。MPEG4形式で圧縮したデータはスマートメディアに記録され、そのままパソコンに取り込んでインターネットで配信できる。また、動画配信するときにネットワークの負荷がかからないように、ファイル・フォーマットにはMicrosoft社が提唱しているストリーム形式のASF(Advanced Streaming Format)を採用している。詳細情報はURL(http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/990317.html)で知ることができる。MPEG4に力を入れている東芝は、アクセスの小型携帯機器用μブラウザ「Compact NetFront」に東芝のMPEG4エンジンを統合させて、次世代携帯電話むけMPEG4対応ブラウザをアクセスと共同で開発すると1999年10月12日に発表した。米国法人の東芝アメリカは、携帯電話やPDAなど、小型機器で176×144ピクセルの映像を見ることを可能にするMPEG4に対応し、携帯電話用として音声のAMR(Adaptive Multi Rate)にも対応した、70MHzで、12Mバイトのメモリも統合したチップ「TC35273XB」を開発し、2001年1月15日に発表した。詳細情報はURL(http://www.toshiba.com/taec/press/to-124.shtml)で知ることができる。松下電器産業、松下通信工業(2003年1月1日、パナソニックモバイルコミュニケーションズに改名)および、松下電子工業は2001年2月6日に、複数動画を同時に圧縮・伸長できる低消費電力型のMPEG4マルチコーデックLSIを携帯電話向けに開発したことを発表した。米国のApple社は2002年2月12日午後に、ロサンゼルスのビバリーヒルズで開催された「QuickTime Live!」カンファレンスで、MPEG4規格を完全サポートした「QuickTime Player 6」のプレビューを行なったが、MPEG4関連特許の圧倒的多数を持つ団体であるMPEG LAが、MPEG4技術にライセンス料を課すと2002年1月31日に発表しし、その条件があまりにも多くのコンテンツ・プロバイダの予想外であったことから猛烈な反対がおこり、もっともMPEG4を強力に支持していたApple社も、適切な特許権使用条件が決まるまで「QuickTime Player 6」のリリースを延期すると発表した。MPEG LA社が2002年1月31日に発表したリリースはURL(http://www.mpegla.com/news_release31Jan2002.html)で読むことができる。ISMA(Internet Streaming Media Alliance/インターネット・ストリーミング・メディア協会)は2002年3月24日に、「MPEG4」の音声圧縮方式「MPEG4 AAC(Advanced Audio Coding)」の新しいライセンス方式を支持すると発表した。詳細情報はURL(http://isma.tv/html/resources/pr.shtml?PR1005.txt)で知ることができる。MPEG4動画では配信会社から再生時間に応じて、1分につき0.033セントのライセンス料を徴収するという方式が2002年1月に提案され、Apple社などから反発されているが、MPEG4 AACではライセンス料は機器やソフトウエアに対して、例えばパソコン用の製品と非パソコン用の製品とに分けて徴収するが、コンテンツ配信会社からはライセンス料を徴収しない。MPEG LA社は2002年3月末に、MPEG4契約問題を解決するため、MPEG4関連技術の特許保有者と2002年4月末に話し合いをすると発表した。National Semiconductor社、Sigma Designs社、CMC Magnetics社、Modern VideoFilm社、iVast社、パイオニア、シャープの7社は2002年3月に、CATVセット・トップ・ボックス(STB)にMPEG4技術を利用したシステムの構築で合意し、「e-Box」という新合弁事業の設立を発表した。また、同時に技術仕様の策定では、米国第3位のCATV事業者であるComcast Cable社が協力することに合意した。MPEG-4の普及促進を目指す業界団体M4IF(MPEG-4 Industry Forum)は2002年4月4日に、ベンダー29社(AMPHION社、APPLE COMPUTER社、AVIPIX社、CIRRUS LOGIC社、COMVERSE社、DIAMONDBACK VISION社、DIVXNETWORKS社、EMBLAZE SEMICONDUCTOR社、ECOLE NATIONALE SUPERIEURE DES TELECOMMUNICATIONS社、ENVIVIO社、FRAUNHOFER IIS-A社、HANTRO社、LUXXON社、NEOMAGIC MTREC社、ONTIMETEK (INC.)社、PACKETVIDEO社、PHILIPS ELECTRONICS社、REAKOSYS社、SAMSUNG ELECTRONICS社、SEROME TECHNOLOGY社、SORENSON MEDIA社、VIDEOSPHERES社、WEBCAST TECHNOLOGIES社)がMPEG4関連製品の第3段階の相互運用試験を無事終了したと発表した。次のステップとして、Apple社、Cisco Systems社、Sun Microsystems社などでつくるストリーミングメディアの業界団体ISMAISMA(Internet Streaming Media Alliance)の仕様に基づいたライブ・ストリーミングのテストが実施される。詳細情報はURL(http://www.m4if.org/public/documents/vault/m4-out-20002.php)で知ることができる。Apple社は2002年5月6日にサンノゼで開催した「WWDC(World Wide Developers Conference) 2002」で、MPEG4のビデオ・ストリーミング技術をめぐるライセンス問題から延期されていたQuickTime 6をリリースすると発表した。詳細情報はURL(http://www.apple.com/pr/library/2002/may/06quicktime.html)で知ることができる。Microsoft社は2003年1月7日に、「MPEG4」より低料金で外部にライセンス供与するWindows Media 9 Seriesの料金プランを発表した。詳細情報はURL(http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/Jan03/01-079SeriesFinalReleasePR.asp)で知ることができる。ISMAは2003年1月に、2003年4月に開かれるNAB(National Broadcasters Association)の年次コンベンションで、MPEG-4対応ファイルの暗号化と認証のための技術仕様をレビュー用に公開し、2003年4 6月期中に標準を確立するという、MPEG4のセキュリティと著作権管理に関する技術仕様完成までのスケジュールを設定した。詳細情報はURL(http://www.isma.tv/)で知ることができる。米国カリフォルニア州のドルビー研究所(Dolby Laboratories)の子会社Via Licensing社は2003年6月6日に、「MPEG-4 Audio」の特許ライセンスを開始したと発表した。詳細情報はURL(http://www.vialicensing.com/news/via_pr_0306_MPEG-4AudioLicTerms.html)で知ることができる。ISOの専門委員会であMPEG(るMoving Picture Experts Group)の支援の下で開発されているようなオープンスタンダードの試みも注視してきたが、コピー防止用のコンポーネントについての提案は行ってこなかったことから、MPEG4に関する特許権を保有する企業がつくる業界団MPEG LA(MPEG Licensing Association)は2003年10月2日に、デジタル著作権管理(DRM)技術が包含すべき機能の概要を独自にまとめ、自らの技術が機能的に十分と考えている特許権保有者に対しても、それらの技術を提出し、再審査を受けるように求めることを発表した。詳細情報はURL(http://www.mpegla.com/news/n_03-10-02_drm.html)で知ることができる。音楽データ圧縮技術「MP3」の開発で中心的役割を果たしたことで知られるドイツのフラウホッファー(Frauhofer)社は2003年11月14日に、Windows XP/2000に対応したMPEG4動画プレーヤーとエンコーダー/サーバーソフトの評価版無料ダウンロードを開始した。詳細情報はURL(http://www.iis.fraunhofer.de/pub_rel/presse/2003/mp4/index.html)で知ることができる。日本経済団体連合会は 2004年1月20日に、「戦略的な国際標準化の推進に関する提言」を公開した。詳細情報はURL(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/007.html)で知ることができる。標準化団体MPEG(Moving Picture Experts Group)を創設したイタリア人技術者レオナルド・キャリリョーネ(Leonardo Chiariglione)(Leonardo Chiariglione)はDMP(Digital Media Project)を創設し、松下電器、British Telecom、Telecom Italia、MPEG LA(MPEG Licensing Association)なども参加して、iPodやソニーのプレイヤーの間に存在する垣根を取り払い、異なる携帯音楽プレイヤーやビデオプレイヤー同士でも同じコンテンツを再生できるようにする標準仕様案の募集を開始した。詳細情報はURL(http://www.chiariglione.org/oldfiles/project/)で知ることができる。フィンランドのNokia社も2004年9月14日に、携帯電話でSDフラッシュ・メモリ・カードよMMC(MultiMediaCards)をサポートすると発表した。詳細情報はURL(http://press.nokia.com/PR/200409/960559_5.html)で知ることができる。Digital-Lifestyles.infoは2005年4月20日に、VNL(Video Networks Limited)社が世界で初めてロンドンでMPEG-4/AVC Broadcastを採用した携帯電話向けVOD(Video On Demand/ビデオ・オン・デマンド)TVチャンネル「HomeChoice」を開始したと報告した。この会社はHarmonicと共同で2004年に、MPEG-2でエンコードしたDiviCom MVを使った100video-over-xDSLサービスを「HomeChoice」で実施している。詳細情報はURL(http://digital-lifestyles.info/display_page.asp?section=platforms&id=212)で知ることができる。米国のSGI(Silicon Graphics/OTC:SGID)社は2006年5月8日に、2006会計年度第3四半期(1-3月期)の業績見通しを改めて発表し、米国連邦破産法第11条(チャプター・イレブン/Chapter 11 of the U.S. Bankruptcy Code)に基づく資産保護を申請したことを発表した。詳細情報はURL(http://www.sgi.com/company_info/newsroom/press_releases/2006/may/sgi_reorg.html)または、URL(http://www.sgi.com/company_info/newsroom/press_releases/2006/may/q306_pre_results.html)で知ることができる。

[MPEG関連のURL]
●ソニーのMPEGに関するURL(http://www.sony.co.jp/ProductsPark/Professional/MPEG/index-j.html)
●オランダのMPEGムービー・アーカイブのURL(http://www.eeb.ele.tue.nl:8080/mpeg/)
●MPEG4のURL(http://drogo.cselt.stet.it/mpeg/koenen/mp4ieee.htm)
●MPEG LA社のURL(http://www.mpegla.com/)

[MPEG4関連文献]
●MPEG-4 Proposal Package Description (PPD),ISO/IEC JTC1/SC29/WG11/N998, Tokyo (1995-7).
●MPEG-4 Testing and Evaluation Procedures Document, ISO/IEC JTC1/SC29/WG11/N999, Tokyo
(1995-7).
●三木俊雄 : MPEG4の現状と展望, TV学会映像メディア部門冬季大会特別企画2-1, pp.27-32
(1996-12).
●MPEG-4 Video Verification Model version 6.0, ISO/IEC JTC1/SC29/WG11/N1582, Sevilla (1997-02).
●浅井光太郎 :MPEG4ビデオ検証モデル, TV学 会映像メディア部門冬季大会特別企画2-2, pp.33-38 (1996-12).
●渡邊敏明 :MPEG4におけるエラーレジリアンス, TV学会映像メディア部門冬季大会特別企画2-4, pp.45-50 (1996-12).
●如澤裕尚 :MPEG4の符号化効率, TV学会映像メディア部門冬季大会特別企画2-3, pp.39-44
(1996-12)


MPEG4のマーク
MPEG4のスケジュール
MPEG4の階層構造
VOL(Video Object Layer)という階層の最下位層VOP(Video Object Plane)階層のエンコーダ・モデル
VOP(Video Object Plane)内のエンコーダブロック図
可変長間隔同期方式
Byte alignmentのためのBit stuffing
双方向復号 (Two-way decode)-1従来のVLCによる復号
双方向復号 (Two-way decode)-2双方向から復号可能なRVLC(Reversible VLC)による復号
矩形以外の形状のテクスチャ情報を符号化できるパディング(Padding)手法
動き補償のためのパディング
MPEG4でサポートされている空間スケーラビリティ(Spatial Scalability)
MPEG4でサポートされている時間スケーラビリティ(Temporal Scalability)
適応DC係数予測
適応AC係数予測
シャープのインターネットビューカム VN-EZ1
DMAT(Digital Music Access Technology)のトレードマーク
2000年9月28にSDMIが公開したオープン・レター
オランダの若いインターネット・ユーザーの傾向
米国の携帯電話の経緯と未来
NASAのJPLが公開したTerraによるLos Angelsの画像
Unbreakable(壊れない)と宣伝したOracle9iのページ
米国のeTForecasts社が予測したPDAの未来シェア予測
eTForestsによるPDAを利用した無線インターネット接続予測
MPEG LA社が2002年1月31日に発表したMPEG4技術ライセンス料リリース
ISMAが2002年3月24日に発表した「MPEG-4 AAC」支持リリース
M4IFが2002年4月4日に発表したリリース
MPEG LAが2003年10月2日に公開したリリース
戦略的な国際標準化の推進に関する提言(概要)
戦略的な国際標準化の推進に関する提言
The Digital Media Manifesto
SGIが2006年5月8日に公開した米国連邦破産法第11条申請リリース