九州大学医学部が福岡県ヤングベンチャー育成支援事業の支援を受けて1997年11月から 開始した、効果的な介護プランの作成を支援するコンピュータ・ソフトウエアおよびネットワーク・システムの構築計画の名称。福祉用具の利用者がサービス内容の比較ができず、十分なサービスが得られない場合があったことから、メーカー、卸、小売業にアンケート調査、ヒアリングをした結果、利用者に合わせて福祉用具の調整などを行うフィッティングサービスや福祉用具の消毒・保管などのメンテナンス・サービスに業界標準規定を設けるべきであるという回答を多く得たことから、経済産業省商務情報政策局流通政策課は2003年11月10日に、福祉用具産業の流通に関する商慣行改善調査についての資料を配付した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004681/)で知ることができる。厚生労働省は2005年4月2日に、医療情報ネットワーク基盤検討会が審議してきた「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を公開した。詳細情報はURL(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0331-8.html)で知ることができる。
[事業計画書]
効果的な介護プランの作成を支援するコンピューターソフトウエアおよびネットワークシステムの創設
当事業は福岡県ヤングベンチャー育成支援事業に指定された(2年間で、3,000万円)。この制度は、福岡県内において大学院生の行う、自ら考案したアイディアによる独創的な新技術の研究開発や、自らの専門知識による独自の営業方法の開発等他に先駆けて行う創業のための研究開発に対して助成し、もって県内産業の振興を図ることを目的とする事業である。
A:介護計画作成支援システム開発メンバー
指導者
野瀬善明
九州大学医学部付属病院 医療情報部 教授
連絡先 電話 092-642-5880 FAX 092-642-5889
E-mail:nose@info.med.kyushu-u.ac.jp
代表
大河内二郎
所属:九州大学遺伝情報実験施設 大学院生
連絡先 電話 080-411-8626 FAX 092-852-4346
E-mail:jokochi@gen.kyushu-u.ac.jp
協同開発メンバー
伊勢和宏
所属:九州大学医学部 総合診療部 医療情報部 医師
Nifty Serveインターネットビジネスフォーラム代表
インターネットユーザーズフォーラム代表
E-mail:SDI00690@niftyserve.or.jp
花田英輔:システムエンジニア
九州大学医学部付属病院 医療情報部 助手
E-mail*haada@med.kyushu-u.ac.jp
波多江忠彦
第一経済大学教授(医療経済学)
小森えみ子
宮の陣病院看護部長
佐藤経営事務所(税理士、経営コンサルタント)
B:目的
介護支援専門員(介護プラン索定者)のためのネットワーク制作
平成12年度には介護保険法が施行される。その際に高齢者の介護プランの索定を行うのが、介護支援専門員である。介護支援専門員は医師、保健婦、看護婦、社会福祉士等の専門職のうち、実務経験を有し、所要の研修終了者が、介護を必要とする高齢 者のアセスメント、サービス提供方針の検討からサービス計画の作成を行う。
今回の事業計画は介護支援専門員が、地域の介護サービス提供団体の情報をインターネットで結ぶことにより、介護が必要な高齢者が効率よく、自分が最も希望する介護を受けられるような環境を作るネットワークを創設する事を目的とする。
C:背景
介護保健施行後は高齢者の介護必要度が判定され、その程度に応じて公的資金による補助が行われる。
厚生省は介護保険制度創設のねらいとして、老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支えるために、利用者の選択により、多様な主体から保険医療サービス、福祉サービスを、総合的に受けられる仕組を創設するとしている。また介護保険法の特色として、保険給付対象サービスの他に、保険給付サービスをさらに多く受ける上乗せサービスや、保険給対象外のサービスを受ける事も認められている。すなわち、生活関連産業のすべての領域が、関係する。
D:事業実施計画
介護保健法施行後は、現在保健婦が行っている業務を、介護支援専門員がおこなうようになるため、保健所を中心としたモデルを福岡市東区内の保健所、医療、福祉機関の協力を得て、現在制作中である。その他、現在福岡県田川市でも、本ネットワークの共同開発を検討中である。
1:開発計画
(1)地図情報を中心とした区内の医療、福祉関連機関のデーターベースを制作し、インターネットで公開する。インターネットサーバーは、当初九州大学医療情報部内に設置する。
(2)介護保健法施行までに、インターネット上で使用出来る、介護アセスメント、ケアプラン制作ソフトの開発を行う。
(3)その後、在宅介護に参入を希望する生活関連業種をネットで結ぶ。
2:宣伝、広告
ユーザーが限定されるネットワークであるので、医療関係誌、学会誌を中心におこなう。
このネットワークはそれ自体が社会福祉資源と考えられるので、マスコミ等の協力も得て、広告活動を行う。インターネット回線を使用するため、電話回線さえあれば
どこでもデモンストレーションが出来るので、プロモーションビデオ等と合わせて、効率的な宣伝を行う。
3:事業運営方法
在宅介護サービスは、地域差が大きいのが現状である。このため、会社設立後は、地域ごとに、ネットワークセンターを設立していく必要がある。この業務は以下の方法で収入を得る事ができる。
(1)ケアプラン策定料(介護保健で全額賄われる)。
(2)生活関連製品およびサービスの販売のマージン、広告宣伝費
(3)市町村、医療、社会福祉施設に対するコンサルテーションおよびネットワークの創設、データーベース開発
E:この事業のメリット
1:高齢者に対して
障害度、障害の種類に応じて、より幅広いサービスの選択が可能になる。
2:社会福祉施設及び介護支援専門員に対して迅速に、より幅広いサービスの検索および提供が可能になる。またケアプラン制作に必要な時間を短縮することができる。介護費用算定が簡単にできる。
3:保険主である都道府県に対して
介護プラン策定は介護保険法で国および都道府県が全額負担することになっているが、このソフトウエア を使用することによって、介護プラン策定に必要なコストを削減することができる。
4:関連業種(介護用品、住宅サービス等)に対してこのシステムにより介護用品、機材等の製品を効率良く紹介することが出来る。
5:地域社会に対して
商店街などがこのシステムに参加することにより、外出ができない高齢者に買い物サービスを行うなど、地域産業振興に効果がある。
F:企業化の見通し
市場:1993年の要介護および虚弱高齢者数は約200万人であるが、2010年には390万人となる。これに伴い在宅介護支援専門員も法施行当初の2万人から4万人に増加する。民間企業の介護保険参入も、このネットワークの需要を高めるであろう。
G:資金の調達:日経ベンチャービジネス年鑑97年度版によればベンチャーキャピタルの殆どが医療および情報分野への投資を望んでいる。本事業は福岡県の資金援助が決定しているため、県内外からのベンチャーキャピタルの斡旋を福岡県が行うと言う点で、他のベンチャー企業に比較して有利である。また、九州大学医療情報部のバックアップがあるため、医療、介護関連の最新情報を得ることができる状況にもある。
H:商品化の見通し:現在他の大手企業もケアプラン制作用ソフトウエアを開発している。しかし、インターネットを用いて情報を公開するという発想ではなく、自社ハードウエアの販売を兼ねた発送であるので、私たちはパイオニア的存在と言える。