網膜

Retinal


脳から分化してできたた神経回路ネットワークの総称。近年の神経科学の進歩は目ざましく、そのキーポイントは、学習/記憶という脳の機能の基礎を担う神経の入力信号の頻度、強弱に応じて変化しうる柔軟性など、可塑性に関係したものであるといわれている。また、可塑性の究明は、35億年の生物進化の産物である脳と神経系から成り立っている神経回路網の仕組みを解明するための鍵であると考えられている。神経回路網での情報処理は、シナプスすなわち化学シナプスと電気シナプスでの信号処理に帰着し、発生学的に脳から分化してできたた神経回路網であり、視覚情報処理に関して重要な役割を持っているのが網膜である。網膜や脳神経回路網のシナプスに対する「局所領域での制御方式」に関する解明は、従来型の1対1の入出力関係による方式と全く異なった原理で成り立っていることから、それらの新しい原理は、「柔らかい制御」、「新しいニューラルネット」の構築という新たな神経回路工学や情報工学への重要なテーマになるといわれている。この神経回路網の新しい制御方式の解明は、新しい原理を持った超並列の新しい情報処理機器、インテリジェントセンサー、脳型コンピューターの方式の開発に利用できるということから注目を集めている。電子技術総合研究所では、網膜神経回路網の可塑性シナプスの生理的機能を解析し、シナプスの制御機構とその可塑性を担う分子に関する研究を行っている。
一酸化窒素(NO)は、有毒なガスであるが、神経系を含む多くの生体器官で微量であるが生産されており、制御因子の一つと考えられ、従来から知られてきた伝達物質を経ずに、神経細胞間の直接情報伝達や逆行性情報伝達の働きをしている。このNOによる神経制御の新しい制御方式と制御の分子メカニズムを解明することで、その可能性は大きく開けることと期待されている。電子技術総合研究所ではすでに、網膜ではシナプスの抵抗を可塑的に、かつゆっくりとした効き方で制御しているという証拠を発見している。電子技術総合研究所彙報の情報はURL(http://www.etl.go.jp/jp/results/bulletin/index.html)で知ることができる。
米国ではリドリー・スコット(Ridley Scott)監督のSF映画「ブレードランナー(Blade Runner)」で「フォークト=カンプフ(Voight-Kampff)」という測定器を使って本物の人間と違法アンドロイドの「レプリカント」を見分けていたが、米国のアイ・ダイナミックス(Eye Dynamics)社のロン・ウォルドーフ(Ron Waldorf)は、航空機のパイロットやバスの運転手、列車の機関士、建設作業員など、大勢の人間の命を預かる仕事や危険を伴う仕事に従事する人に、装置をのぞき込んで光線を目で追うだけで目を調べて、薬物やアルコールの摂取、過労等、業務に支障をきたすような要素がないかどうかを97%まで正確な判断が出せる網膜スキャナー「セーフティースコープ(SafetyScope)」を開発し、2001年1月26日にMedical Device Dailyで発表され、2001年2月9日に正式に発表した。詳細情報はURL(http://www.eyedynamics.com/safety_scope.cfm)または、URL(http://www.eyedynamics.com/releases/amer_health_consult1.cfm)または、URL(http://www.eyedynamics.com/releases/cant_hide_your_eyes.cfm)で知ることができる。
また、インターネット上には脳について知ることができるBrain Explorerもある。詳細情報はURL(http://www.brainexplorer.org/)で知ることができる。
米国のフロリダ州で開催された眼科の学会ARVO(Association for Research in Vision and Ophthalmology/視覚と眼科学研究協会会議)で、南カリフォルニア大学(USF/University of South California)のMark S. Humayun教授をはじめとする研究者らがFDA(米食品医薬品局)の承認を受けて3人の被験者にチップを埋め込み、視覚障害者の網膜に電極を埋め込んで電気信号を送り、長期間にわたって一定の視力を回復することに成功したと発表した。詳細情報はURL(http://www.usc.edu/about/health_care/humayun.html)で知ることができる。
理化学研究所は2004年2月27日に、理研ニュース別冊として、「なるほど!脳の中身が見えてきた!」のPDF版を公開した。詳細情報はURL(http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/news/special/pdf/0402.pdf)で知ることができる。
米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団)は2004年5月27日に、ヘッド・マウント型の射出装置を使用して、UW(University of Washington)の学生Rob Harrillが開発している視覚障害者をナビゲートできるシステム「HEADS-UP」を紹介した。詳細情報はURL(http://www.nsf.gov/od/lpa/newsroom/pr.cfm?ni=103)で知ることができる。


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