コンピュータの基本機能を必要最低限に絞ったOSの総称。従来のOSに組み込まれていたファイル・システムやネットワーク機能などをモジュールと呼ばれる別のソフトとしてOSから外し、稼働させる。マイクロカーネルの代表的なものには、米国のカーネギー・メロン大学(CMU/Carnegie Mellon University)が1980年代に開発したマーク(Markまたは、Mach)、Microsoft社のWindows NT、OSFのOSF/1、ネクストコンピュータ(Next Computer)社のNeXTstep、NECの超並列コンピュータ用のOSなどがある。IBMが開発中のWorkplaceOSもマイクロカーネルを採用する予定である。最大の特徴は異なったOSを同時に動かすことができることである。また、従来のOSにあった不随的な機能も目的に応じてソフトとして付け加えることができる点も画期的といえる。ただし、機能を絞りすぎるとソフトのデータやり取りが増加し、処理速度が遅くなるという欠点もある。そこで重要になるのが、マイクロカーネルに組み込む機能と切り放す機能を区分けするOS設計技術といえる。1995年7月、慶応大学の徳田英幸(Hideyuki Tokuda)助教授はマイクロカーネル型OSのマークをもとに、その考え方を取り入れたマルチメディアをこなすためのOSを開発した。このOSは、ワークステーションでテレビ会議やビデオ・オン・デマンド(VOD)などが可能になるように、各機能間のデータのやり取りを管理するプロセス間通信や画像データ、音声データを効率的に処理するための実時間スケジューラーなど、マルチメディア・サービスを統合的に扱う機能をマイクロカーネルに集約し、テレビ電話や携帯通信端末(PDA)などのような異なった条件でデータのやり取りを効率的にさせる機能や画像・音声の同期制御機能などをモジュールとして切り放している。