バイオテクノロジーについては、科学技術庁長官(当時)、文部大臣(当時)、厚生大臣(当時)、農林水産大臣(当時)及び通商産業大臣(当時)が、これまで「経済構造の変革と創造のための行動計画(平成9年5月16日閣議決定)」、「ライフサイエンスに関する研究開発基本計画(平成9年8月13日内閣総理大臣決定)」において21世紀を切り開く戦略的基幹技術と位置づけ、その研究開発と産業化を推進してきたが、さらに、「産業再生計画(平成11年1月29日閣議決定)」において、新事業・雇用創出の観点から、その加速化が図られようとしていることから、バイオテクノロジーに関係する主要5省庁として、特にここ数年が今後の帰趨を決めるとされているゲノム情報を活用した産業化の加速的促進に向け、関係省庁が一丸となって、抜本的に取組を強化する必要があるとの認識に立ち、バイオテクノロジーの産業化を重点的かつ加速的に行うため、1999年1月29日に「バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針」を発表した。農林水産省は2004年12月10日に、「遺伝子組換え技術の情報サイト」を開設したと報告した。詳細情報はURL(http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/index.htm)で知ることができる。経済産業省は2004年12月20日に、平成15年5月に公布された「個人情報の保護に関する法律」が平成17年4月に全面施行されることから、産業構造審議会化学・バイオ部会個人遺伝情報保護小委員会で、個人遺伝情報の取り扱いに係る円滑な実施を図るための対応について審議し、その結果として、「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン」を告示した。詳細情報はURL(http://www.meti.go.jp/press/20041217010/20041217010.html)で知ることができる。
[「バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針」の全文]
報道発表資料本文
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件名
バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針
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バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針
平成11年1月29日
関係閣僚申合せ
コンピュータをはじめとするエレクトロニクスの技術が、この四半世紀の世界経済を一変させたように、生命科学の知見を基礎とするバイオテクノロジーは、21世紀の経済社会に大きな変化と進歩をもたらすものと期待される。バイオテクノロジー分野では、既に遺伝子組換え技術の発達を端緒として技術革新が急速に進んでおり、今後、高品質・高収量の作物の開発や環境保全型農業の確立、遺伝子治療や新たな医薬品の供給等の農業分野、医療分野はもちろん、生物機能を利用した物質生産による化学工業のプロセス転換、生分解プラスチック等の新素材やバイオセンサー、機能性食品、バイオ試薬・機器等の新製品、DNA鑑定やバイオレメディエーション等の新サービスの提供等、化学、食品、電子・機械、環境・エネルギーといった幅広い産業分野において、質の高い雇用の場と新規ビジネスの機会をもたらすとともに循環型経済社会の実現に貢献することが強く期待される。
バイオテクノロジー産業は、生物資源が持つ数に限りのある産業上有用な遺伝子を基盤とすること、研究開発と事業化が近接していること、バイオテクノロジーのヒトへの適用について倫理的な配慮が不可欠であること等に大きな特徴がある。このようなバイオテクノジー産業の発展を図るためには、生物遺伝資源等の保存及び提供や生物の遺伝情報の総体であるゲノム注の解析等の基礎的基盤的研究の推進とこれに基づくデータの蓄積及び提供等の知的基盤の整備、研究開発指向型企業への円滑な資金供給、産学官の連携の強化とともに、ヒトの生命に対する倫理的な配慮や、国民理解に向けた情報提供等の推進が不可欠である。しかしながら、我が国ではこうした環境整備が、欧米先進国と比べて大きく遅れている。特に、近年、欧米各国政府は、生命関連の法制度等の整備を図りつつ、バイオテクノロジーに関する研究開発やそれに関連する産業振興の取組を急速に強化しており、生物遺伝資源の有限性と欧米における特許化に向けた重点的投資にかんがみると、これからの数年が将来の産業発展のため基盤整備を図る極めて重要な時期に当たると考える。このため我が国としても、バイオテクノロジーについては、これまで「経済構造の変革と創造のための行動計画(平成9年5月16日閣議決定)」、「ライフサイエンスに関する研究開発基本計画(平成9年8月13日内閣総理大臣決定)」において21世紀を切り開く戦略的基幹技術と位置づけ、その研究開発と産業化を推進してきた。さらに、「産業再生計画(平成11年1月29日閣議決定)」において、新事業・雇用創出の観点から、その加速化が図られようとしている。これを受けて、五省庁として、特にここ数年が今後の帰趨を決めるとされているゲノム情報を活用した産業化の加速的促進に向け、関係省庁が一丸となって、抜本的に取組を強化する必要がある。
このような認識に立って我々はバイオテクノロジーの産業化を重点的かつ加速的に行うため、「バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針」を以下のとおり申し合わせる。
注:ゲノム
1組の染色体中に存在するすべての遺伝子の総称。
1.将来展望
平成22年(2010年)に、バイオテクノロジー関連市場の市場規模が25兆円程度、バイオテクノロジー関連の新規事業者の創業数が1,000社程度まで増大することを展望して環境整備を目指す。
2.産業化の加速的促進のための施策
(1)ゲノム解析等の基礎的・基盤的研究の加速的推進
生物遺伝資源やDNA、蛋白質等に関する情報は、今後のバイオテクノロジー産業の発展の基盤であり、特に公的部門におけるヒト、イネ、家畜、微生物等のゲノム構造解析及び蛋白質の解析を通じた遺伝子機能の解明等を加速するとともに、こうした情報の産業界への提供を一層推進する。
(2)事業化支援の強化
遺伝子情報の特許化等に向けた研究開発は、バイオテクノロジー産業の成長の核であり、研究開発活動に加え、これらの研究開発活動を行う新規事業者が要する多額の初期投資に対し公的支援を行うとともに、新規事業者の創業へのソフト面の支援を含むインキュベーション施設の整備等により、研究成果を事業化するベンチャー企業の集積形成を一層促進する。
(3)バイオテクノロジーの実用化に向けた技術開発の強化
ゲノム研究で得られた遺伝子を用いた有用動植物・微生物の開発やより効率的な遺伝子組換え関連技術、遺伝子組換え動物により有用物質生産を実現するための家畜クローン技術等ゲノム研究の成果の実用化に向けた技術開発を強化する。また、バイオテクノロジーと情報化技術を融合するバイオインフォマティクス技術注、環境負荷の軽減や有用物質の効率的な生産に資する技術等について民間事業者の能力を活用する等事業化を念頭においた研究開発に対する支援を強化する。
注:バイオインフォマティクス技術
情報科学と生命科学の融合領域で生命情報処理技術と言われる。ゲノムの塩基配列情報や蛋白質構造情報を電算処理、利用する技術。
(4)大学等におけるバイオテクノロジー研究の推進と利用の促進
バイオテクノロジー分野の最先端研究を行っている大学等の研究機関による研究の推進は、研究成果が事業に直結しやすい当該分野においては不可欠であることから、競争的研究資金の拡充を進めることにより研究インセンティブを高めるとともに、基礎研究から産業応用までを一貫して推進するための拠点を整備する。さらに、これらの研究成果の事業化を促進するため、研究成果の特許化の支援及び成果利用の促進を一層推進する。また、技術移転機関(TLO)の整備・活用を図るとともに、国立大学教官等が民間企業の役員として積極的、主体的に関与することを認めることについての検討を行う。
(5)ネットワーク化の推進等産学官の連携の強化
生物遺伝資源やDNAデータ等の一層の利用を図るため、全国の知的基盤を提供する機関の充実及びネットワーク化を進めるとともに、大学、国立試験研究機関等の研究成果の事業化を促進するよう、研究成果に係る情報提供を充実する等産学官の連携強化を推進する。
(6)適正な安全確保と規制の適正化
バイオテクノロジーに関する安全性を確保し、当該技術の社会的普及を促す観点から、安全性関連のデータ及びこれらのデータに基づく客観的かつ科学的な安全性評価システムの一層の充実を図る。また、バイオテクノロジーの産業面への応用に関する制度については、国際的な動向に配慮しつつ、独創的な研究開発等を阻害することがないよう、引き続き一層の改善を図る。
(7)知的財産の適切な保護
バイオテクノロジーにおける知的財産保護の重要性にかんがみ、特許制度及びその運用の国際的調和を一層推進する。
(8)国民的理解の促進
遺伝子組換え技術の利用をはじめ、バイオテクノロジーが社会にもたらす成果について国民への科学的かつ客観的な情報提供の充実を図るとともに、ゲノム情報をはじめとしたヒト遺伝子情報やその元となる生体由来試料の取扱いについて生命の尊厳への配慮と個人情報の保護が適正になされるよう環境整備を進め、国民の理解を促進する。
3.推進体制
関係省庁は、本方針の考え方に基づき、具体的な施策を推進することとし、本方針の実施のための具体的な計画を共同で策定する。当該計画の実施に当たっては、バイオテクノロジー関係省庁連携会議において密接な連携を確保するとともに、「経済構造の変革と創造のための行動計画」の見直し作業を活用して毎年度フォローアップを行う。
科学技術庁長官 有馬 朗人
文 部 大 臣 有馬 朗人
厚 生 大 臣 宮下 創平
農林水産大臣 中川 昭一
通商産業大臣 与謝野 馨
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