提案/国会図書館雑誌記事索引データベース

岡部一明(在米ジャーナリスト)の国会図書館雑誌記事索引データベースをインターネット上で公開する提案

サンフランシスコ市立図書館などでは、米国の2000雑誌、過去5年間の記事データベース(EBSCOデータベー ス)がただで使えるようになり、プロジェクト・グーテンベルグでは過去の重要な会議の議事録や著作権の切れた書籍が自由に読めるように無料公開している。米国ではこのようにどんどん一般市民の手に届くようになっている。つまり、インターネットを通じて巨大な図書館が自宅にあるような環境が構築されようといしているのに、日本ではまだデジタルな社会を拒絶し、デジタルな書籍は国会図書館では管理しないなどと公表していた。できれば、雑誌記事だけでも自由に検索できる環境を早く構築して欲しいものである。そこで、在米のジャーナリスト岡部一明(Kazuaki Okabe)さんの提案を本人の了解を取り、ここに全文を公開する。なお、このような文書を読みたい人は、岡部一明さんの知人になることです。知人になるには、Internet: kokabe@mri.biglobe.ne.jpでお願し、了解されれば可能になる。また、オンライン・ジャーナリストのためのリソース集Power Reportingでは、取材に必要な多くのリンク情報がある。詳細情報はURL(http://www.powerreporting.com/)で知ることができる。米国のfutures groupが2005年2月18日に、近未来の公共図書館としてLaser Foundationが重要な社会的な質問の1つであるが、政府の優先リストでは低く、それらの本当の可能性を実現するためには資金が不十分で、公立図書館の基金に関して国家と地方のレベルで行われるべき緊急性を訴えて発行した15ページのレポート「The Public Library Service in 2015」をPDFで公開した。詳細情報はURL(http://www.futuresgroup.org.uk/index.php?pageid=5&docid=23)で知ることができる。ノートルダム大学図書館(University Libraries of Notre Dame)がWebサイトを再構築するにあたって、どのようなところを注意して、検討しながら実施したかを紹介した報告書を公開した。詳細情報はURL(http://dewey.library.nd.edu/morgan/musings/website-summary/web-summary.pdf)または、URL(http://dewey.library.nd.edu/morgan/musings/website-summary/web-summary.ppt)で知ることができる。大英図書館(British Library)のCEOであるLynne Brindleyは2005年6月29日に、2020年までに大英図書館を完全なデジタル化を実現すると報告した。Lynne Brindleyは2020年には、提出される研究論文の40%はデジタル・フォーマットだけになり、50%はデジタル・フォーマットと紙メディアの両用になり、10%だけが紙メディアだけの発行になると予測している。詳細情報はURL(http://www.bl.uk/news/2005/pressrelease20050629.html)で知ることができる。また同時に2005年から208年までの計画として「The British Library's strategy 2005 2008」を公開した。詳細情報はURL(http://www.bl.uk/about/strategic/pdf/blstrategy20052008.pdf)で知ることができる。米国のCenter for Media Researchは2005年8月2日に、IFPP(The International Federation of the Periodical Press)が公開した、雑誌・新聞とWebサイトに関する調査報告書「Routes success for Consumer magazine websites」を紹介し、84%のWebサイトが新しいオンライン視聴者をつくることによって印刷物ベースに目を向けさせ、出版物の販売を拡大させたいと報告した。詳細情報はURL(http://www.fipp.com/assets/downloads/ConsumerMagWeb.pdf)で知ることができる。国立博物館、図書館、アーカイブがそれぞれコンテンツを展開することに限界が来ていることから、イギリスのU.K. Museums, Libraries, and Archives Councilとthe Department for Culture, Media, and Sportから任命されたイギリスのコンサルティング会社British Consulting Firmは2005年8月5日に、イギリスの博物館、図書館、アーカイブに関するレポート「Public Libraries: Efficiency and Stock Supply Chain Review」を発表し、これらのコンテンツを統合した「National Public Library Agency」の設立を提案した。システムを統一し、総合的なコンテンツを確立することで合理性と利便性を確保すべき時期に来ている。全ての本や資料をデジタル化し、簡単に通信で管理できるようになれば、これまでのようにそれぞれの図書館や博物館、アーカイブなどで同じ資料を補完し、管理する必要もなくなり、その経費削減は巨額になることだろう。日本の場合だと、自分の職場がなくなると騒ぎはじめ、反対する人も出てくることだろうが、そのようなエゴは切り捨てないと、全体が駄目になりそうな状況といえる。これまでのような博物館や図書館、アーカイブを残し、無駄が出ても自分の仕事場が安泰であって欲しいという自己中心的な考えのキュレーターや司書が居たら、時の流れが読めない、時代遅れで、身勝手な古い発想ということになる。詳細情報はURL(http://www.ala.org/al_onlineTemplate.cfm?Section=American_Libraries&template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=101365)で知ることができる。レポート「Public Libraries: Efficiency and Stock Supply Chain Review」はURL(http://www.mla.gov.uk/documents/fff_efficiency_00fullrep.pdf)でダウンロードできる。

[国会図書館雑誌記事索引データベースをインターネット上で公開する提案の全文]
 国会図書館が作成する雑誌記事索引データベースをインターネット上で無料公開することを提案します。

 ご承知のように、納本義務のある国会図書館には、科学技術分野で1381誌、人文社会分野1902誌(1995年12月現在)の膨大な数の逐次刊行物(雑誌)が入り、これをも とに雑誌記事索引書とデータベースが作成されています。カレント版(1990年以降)の雑誌記事索引データベースは磁気テープ版で60万円、CD-ROM版で18万円の価 格で販売され、現在3社が有料で一般にオンライン提供しています(例えばPC-VANを通じた提供は1分120円)。これを広く国民に開放することが、情報文化の基盤づくりという大局的見地から重要な課題になってきていると考えます。どのような小さな刊行物に載った記事情報でも等しく検索し捜し出すことができることで情報が国民に共有され、その文化に豊かなインフラが与えられます。

 ご承知の通り、アメリカでは、市民団体の要望を受ける形で、膨大な政府データベースが次々にインターネットで無料で提供されるようになってきています。たとえば、米国法典(法律全文)、連邦規則法典(政令、省令その他法令集)、議会記録、議会法案、連邦報(官報)、米証券取引委員会(SEC)企業データベース(EDGAR)、米国統計年鑑、連邦政府調達情報(CBDnet)、有害物質廃棄総録(TRI)などがよい例です。ここには税金でつくられた情報は、所得に関係なく広く国民に平等に与えられるべきだとの考え方があり、インターネットという安価なメディア手段の出現がそれを大規模に可能にしています。(EDGARはアクセス数が多すぎて、記事データベースは図書館カードがなければ使えなくなった。)

 とりわけ注目されるのは、国立医学図書館(NLM)の構築する世界最大の医学雑誌データベース、Medlineが、昨年6月よりインターネット上で無料公開されていることです。公開はURL(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/)でしている。世界3800医学雑誌からの(古いもので1966年からの)880万件の記事概要が入っており、日本の医学雑誌も入っています。このデータベースに載らない雑誌には書きたくないという研究者もいるほどのこの本格データベースに、だれでも無料でアクセスできるようになりました。不勉強な医師より、真剣に勉強する患者の方がある場合には最新の情報がつかめます。患者が医師と積極的に対話し、インフォームド・コンセントの増進させるためにも、有効な情報ツールを与えます。

 アメリカでは一般の雑誌記事データベースは民間データベース会社が構築しておますが、これらも街の図書館で無料で検索できる体制が整ってきています。私の住むサンフランシスコでは、市立図書館ネットを通じて、自宅からこうしたデータベースへの無料アクセスが可能です。アメリカ図書館協会(ALA)の1997年の調査によれば、全米8921公共図書館の内60.4%が館内の公共端末で一般市民にインターネット・アクセスを提供しています。人口10万人以上の大都市図書館の場合では、対象468図書館の内75.3%が館内でのインターネット提供を行ない、30.3%が館外からのモデム接続によるプロバイダ型インターネット接続提供を行なっています。インターネット接続はURL(http://www.ala.org/library/fact26.html)でしている。

 日本では国会図書館が一般雑誌記事データベースを構築しているという条件があるのですから、これを積極的に公開することにより、遅れをとっている国民の情報文化の基礎を高めることが重要であり、また現実的ともなっていると考えられます。関係諸機関、市民各層による本格的検討を提案します。


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